2009年11月07日
ある日突然..。
「もなかのフラメンコ&あれやこれや」
一年に一度のフラメンコの踊りの発表会が2月に控えている。
それに向けて着々と踊りの振り付けが進んでいく。
ミセスは優雅な女らしい踊りと、もう一曲は
「それぞれの個性、味をそのまま出してほしいなあ」
と先生が何回も強調して、仰ってくれる曲。
さて、その踊りの振り付け。
すでに考えて下さっていたときもあるし、その場で振り付けて下さる時もある。
この、その場で振り付けてくれるときに居合わせたとき...、
「何と贅沢なことなんだー」
出来上がっていく過程を見れるなんて。
「唄との絡ませ具合はこういうふうに振り付けてくれていたんだ」。
「そうかあ、こう振りつけたあとは、ここで唄を呼んで....」
頭の中では、全て判っていたつもりでいたことが、身体の芯まで感じてはいなかったことに気付かされる。
見ていて、とても面白い。
興味深い。
何年もの間、発表会の為に踊る群舞の振り付、そして個人レッスンでの振り付けをしてもらうとき、ただぼんやり見ていた自分。
でも、「ぼんやり」から、更に加わった。
見る、知る、ということは面白い。
私は思った。
同じことを何回も注意されているのに、百回目で気がつくのと同じだな、と。
木曜日のレッスンのときは、その百回目だったのかなあ。
こうして振り付けをつくりあげていく過程を目の当たりにすると、いっそう、いっそう、大切に踊りたくなるものだ。
さて、話はまったく別なことに飛ぶ。
金曜日、私は久しぶりに山梨までゴルフに出かけた。
10月に一泊で行く予定だったのに、台風でキャンセルになり、代わりに出かけたのだ。
そこでも、フラメンコの振り付けと同じで、初めて気付かされたことがある。
3,4ヶ月に一度のお付き合い程度だから、と開き直り、必死になんてやったことはなかった。しかし、
「私の態度はゴルフを冒涜していたかもしれないな」
突然、そういう気持ちが湧き上がってきてしまった。
必死に一打を縮めたくて頑張っている仲間達の姿を、目の当たりにしたからかもしれない。
でも..、今までだって、数え切れないほどみてきたことだ。
楽しめればいい、口では明るくいいながら何処かに、
少しでも人より遠くに、遠くに打ちたい。
スコア、よければよし。
表面上とは別。
目的のために無機質にクラブを振っていた。
金曜日はいつもと違う自分がいた。
私は300ヤードほど先に見えるグリーン上の旗を目指し、クラブを構えた。
そして打つ。
「ナイス!」
小躍りしながら、私はナイス、と褒めてくれた三人が乗り込んだカートに駆け寄っていく。
「いいね、きょうは。どうしたの?」
「あのね...」
フラメンコの踊りなら普通に云える、心をこめて一生懸命踊りたいの、という言葉。
でも、この場所では、わざとらしくて気恥ずかしく云うのがためらわれた。
でも、はっきりと云った。
「あのね、心を込めて、打つことにしたのよ」
一打一打、大切に、大切に...と。
2009年11月04日
深夜の高速パス
深夜高速バスの出発時間までの、約15分前に池袋に到着した。
階段を下りて地下を通り抜け、地上に出るまで時間がかかる。
「確か、芸術劇場のそばだった...」
もしもすぐに判らなかったら乗り遅れることになる。
タッタッタッタッター..。
早く早く。
息をきらして劇場を目指すとポツンとバスが停まっていた。
「あれだー」
無事に間に合った。
名前を言ってチェックをしてもらってから、乗り込む。
深夜バスは初めての経験。
し~ん。
護送車のように窓はカーテンがひかれ...、いや塞がれている。
左右に窓に添って、一人用の椅子が一列ずつ。
中央に一人用の席。
通路二本に挟まれた一人用の椅子が、横に三つ並んでいた。
もちろん化粧室も備えられている。
冷たいお水も設置されていた。
運転席はカーテンがひかれ、全くみえない。
私は用意された毛布を身体に巻きつけた。
「すごいなー、なんだか飛行機に乗っているみたいだなー」
背もたれが高いので、前の人の姿はまったく見えない。
かろうじて顔が見えるのは、両隣の人と斜めの人だけ。
その左斜めの女性が、しきりにハンカチを目に当てている。

最初は、何も感じなかった。
でも、
「あれ?」
泣いていた。
悪いから視線を向けてはいけないと思いつつ、つい目がいってしまう。
声を殺して嗚咽していていた。
「恋人と別れたのかなあ」
「それとも、田舎の家族に何かあって、駆けつけるのかなあ」
深夜のバスは、昼と違って、独特な雰囲気があるな、と思った。
もちろん、値段がお得という理由もあるだろうけれど...。
それとは私には別に感じられる。
「消灯」時間は、すぐにやってきた。
携帯の灯りも邪魔になる。
毛布の中に携帯を入れ、着信メールの返信を打つ。
徹夜をして数時間寝ただけだから、さぞやぐっすり眠れるに違いないと思っていたが...。
なかなか眠れない。
灯り一つ見えず何処を走っているのかさっぱり判らない。
耳に響くのは、エンジンの音だけ。
それにしても外がまるっきり見えないというのは、心理的に不安になるものだ。
私だったら、ネオンや、走る車が見えた方が、安心して眠れるのに...。
それでも、目をずっと閉じているうちに、眠りの中に入っていたようだ。
途中、かすかな気配を感じて目を開けた。
係の人には、途中駅で降りる人の座席番号が判っている。
マイクの案内はなく、暗い中、係の男性が、下車するお客を起こしているところだった。
「すごいなー、深夜バスって..」
そしてまた、うつらうつらと眠りについた。
途中で時間調整しているに違いない。
エンジンだけつけ、停車していた場所が数回あった。
だんだんとカーテンの外が白っぽくなっていくのが感じられた。
でも、相変わらず、外は何一つとして見えない。
「そろそろだな」
携帯電話で時間を確認する。
たいしたものだ。
予定時刻、ぴったりに到着した。
立ち上がると、ハンカチが落ちているのに気がついた。
泣いていた女性の足下ではなく、通路にちょっとかかっている。
「落ちてますよ..」
私は、小さな声で下に指を指した。
「....」
女性は、意味が分からないようだ。
「ハンカチ、落ちてますよ」
私は拾ってあげたくとも、狭い通路では荷物を持ったままでは腰を屈めなかった。
女性は、礼を言い、拾いあげた。
「もう泪は枯れるほど流したから大丈夫かな..」
心の中で問いかけた。
私は、ここで降りてしまうけれど、女性はこの先の三陸や、釜石の方まで行くのだろう。
バスを降りる。
私の初体験は終わった。 おわり。
2009年11月02日
そちら様は?..第435編
「もなかのフラメンコ」
今の私の気持ちは、きれいに窓が磨かれた後のように、さっぱりしていて、すがすがしい。
やっと念願の、片づけなければならないことが土曜日の夜に終了したからだ。
この数週間は、気は焦っていたものの、数か月前から予約していた舞台や公演は観に行った。
前回も記した通り踊りとカンテのレッスンも。
ただ、高円寺のエスペランのときは、前半で失礼して帰ってしまったので、それだけは心残りだったけれど....。
ずらずらとあれもこれもではなく、今回は、エピソードだけにしぼって書きたい。
まず、デスヌードシリーズ「愛と犠牲」を観に行ったときのことだ。
「とても仲がおよろしいですね。○○○ちゃんのお友達ですか?」
開場前、外で並んでいた。
この回は、同じ教室の方の顔が少ない気がした。
そんな中、楽しそうにずっと舞踊団の方とお喋りしていた方がいた。
その方が、私の隣に座ったのだ。
「いいえ、母親です」
「えっそんな!」
友人と言ったって年齢が同じとは限らない。
でも、ちょっとだけ、年上の友人の方だと思っていたのだ。
それをきっかけに話がはずんだ。
どんどん話が広がり楽しい。
席を離れていた娘さんが戻ってきた。
私は、間違えたことを話す。
「ウぇーん、それはあんまりです...」
彼女は、それでは自分がすごく上に見えるということですね、と嘆いた。
なるほど。
お母様の方は、若く見えたのだから許してもらえるとしても、舞踊団の娘さんの方は...。
「違うの違うのよ、ただお母さんが、すごく若く見えたということだけを言いたかったのよ、○○○ちゃんと比べて言ったのではないのよー」
私はあたふたと慌てた。
昔は、だいたい人の年齢は予想がついたものだけど、最近の人は私はさっぱり見当がつかない。
○○○ちゃんは、ニッコリと私を勘弁してくれた。
そうそう、皆と食事をして駅に向う途中、ミセス仲間にも会った。
この方は、私達の次の公演を観ていたはずだ。
私達は食事のあと、のんびりと呑んでいたから時間がずいぶん経過していた。
「△△△ちゃゃゃ〜ん、お友達と食事していたのぉー?」
私は後ろから、大きな声で呼びとめた。
呼び止めた仲間より、少し前を歩いていた二人の女性が振り向いた。
そして仲間が言った。
「娘達よ!」
ブー。
本当は気にするほどの間違いではないのかもしれないけれど、ことごとく外れるのでホッペが膨らんでしまう。
決めた。
知っている人が、連れの方と一緒にいるときは、微笑んで挨拶だけをし、よけいなことは言わないことにしよう。
帰宅してから、また私はパソコンに向かった。
同じく金曜日の深夜も。
そして朝6時まで徹夜した。
こんな時にかぎってアクシデント。
日帰りで、三日に行くはずだった気仙沼行きが、急遽、日曜日の朝十時には気仙沼駅に到着していなければならなくなった。
そしてすぐに帰ってこなくては...。
徹夜はしたけれど、まだ終わっていない。
「ああ、どうしよう」
最終の新幹線には間に合わない。
しかし、ない知恵を絞ると、世の中なんとかなるものだ。
池袋23時発。
朝、6時7分には気仙沼に到着する。
夜の九時過ぎにやっと終了した。
超特急で身支度をすると、予約をしておいた深夜高速バスに乗るために、池袋に向かった私。
題して、「深夜の高速パス」
つづく
2009年10月28日
新しい山をつくろう。
「もなかのフラメンコ」
「もしもし、ごめんなさい、日にちを、あともう少し下さい」
同じ台詞の電話を二回、いや、三回かけた相手がいる。
そのたびに、気持ちある言葉をもらい、救われた自分。
おかげで今週まで猶予をもらえ、生き返った私だ。
しかし終えなければならない期限が迫る時に限って、足は忙しく動く結果となるのは、どうしてだろう。
答えは出ている。
学習能力がない性格だから、同じことを毎年繰り返す、ということだ。
この習性は一生涯このまま治らない...
いや、まっとうするに違いない。
というわけで、そんな中でも、
フラメンコ、カンテは休まず、イケイケゴーゴー。
スペインからやってきたエバの踊りも観てきた。
でも、正直いって、もう少し狭いホールで観たかった。
話は変わって、...、
来年の二月にカンテの発表会が、伊勢丹会館のエルフラメンコである。
数年ぶりのこと。
踊りの発表会が終わってからだ。
大好きなマラゲーニャ。
私は、今まで知っているレトラとは別のを覚え、挑戦することにした。
それと別に、覚えなくてはいけない曲が数曲、久しぶりにドカーンときた。
踊りの振り付け、カンテのお教室のレトラと、私の頭の中は、爆発しそうだ。
自分の曲だけでもいいのだけど、
しかし、やはりお教室で、新しく教えてもらえる曲は、それなりに唄えるようにしておきたい、と必死になってしまうのだ。
不思議だ。
時間に余裕がない時に限って覚えることが増える。
さて、28日水曜、29日木曜日は楽しみにしていた
「デスヌード」シリーズの
「愛と犠牲」が始まる。
私は木曜日に行くことになっているから、気持ちよく観に行くためにも、もう少し、馬力をあげて頑張らねば。
そうそう、頭が爆発しそうだと書いたけれど、
ものは考えよう...。

マグマをドロドロとたくわえ、
新しい山を誕生させればいい。
あっ!
思い出した。
私が通っている教室の舞踊団の方の
「マグマ」
という新しく誕生したタイトルシリーズでの踊りも控えていた。
そうだったのかー。
私も、派手に噴火しよう
ファイトー バ〜ン
2009年10月26日
手間がかかる飼い主
ワンチャンのPが手術して一日だけ入院して帰ってきた。
これで三度目だ。
病院にPを置いて帰ってきた年長さんの言葉を聴きながら、私は驚いた。
「先生の説明をきいていたら、涙がぼろぼろ出てきて、まいった。オレも、歳をとった証拠だなー」
と私に言った矢先に、またボロボロとこぼし始めた。
「まあ、親友なんでしょうから、一生懸命面倒みてあげなさいよ」
まるで人ごとのように言う私の言葉は、前回と同様だ。
親友がいなくなると寂しがるから
「Pちゃん、もうちょっと一緒にいてあげてくださいよ。お願いしますよ。」
