2008年05月10日

芝生の中

「もなかのあれやこれや」

「いいねえ、羨ましいねえ。この写真のどれもサービスで食べられるなんて、ただなんてなー」

疲れた身体でテーブルについた三人が、私が広げているメニューの写真をのぞきこんだ。

ここは山梨県にあるゴルフ場のレストラン。偶然レディース日にあたっていて、女性は無料で昼食が食べられるのだった。

コンペではなく気の合った仲間四人でやって来た。今回はほとんど一緒に来る鮎釣り名人の鮎夫、鮎子さんご夫妻は参加していなかったので、女性は私一人。でも、長いお付き合いの三人なので気を使う事もなくリラックスできる。

「○○ちゃんに見習って練習しなかったから、それがよかったのかなあ」

いつもボールがそれてOBを出してしまう△△さんが満足気だ。

「しかし、○○ちゃんは相変わらず打つのが早いネエ」

痛いところをつかれてしまった私は、内心ぎくりとする。でも、すぐに話題は変わったのでほっとした。

コンペで組んだ初めて出あった人に、構えや、身体の重心、そして素振りの大切さを懇々と言われることがある。へたをすると昼食時、ほとんどテーブル上での講義を聞くはめになった事もあった。シングルプレーヤーと呼ばれたり、キャリアの長い人には私のつたないプレーがもどかしくてならないのだろう。

でも、この三人はそんな野暮なことは言わない。相変わらず練習も行かないうえ、たまにしかプレーしない私を、

「○○ちゃん方式で練習にずっと行ってませんよ」

と変な褒め方で盛り立ててくれる。

さて、今回は二つの新しいことを知った。

「アア、本当に半額になるんですね」

後部座席に座っていた私は、中央高速の都留のインターを下りるとき、料金表示を見て言った。ある決められた朝と夜の時間帯に通過するET車は、高速道路代金が半額になることを教えてもらった。

『ふ〜ん、そうかあ。スムーズに通過できることだけでなく、こんなサービスもあったのね』

もう一つ目。

ロングホールの場面でのこと。遠めに、緑色の中にうごめくものがあった。

「あれは猿ですよ」

私は目をこらした。

あ、たしかに!

しかしすぐにその姿は消えた。それから幾つ目かのホールを進んでいく。その間、可愛らしい小鳥の鳴き声がさえずっていた。その中、ギギーと強いなき声が聞こえた。

右端からとてもきれいな鳥が現れた。大きい。ちょこちょこと真ん中の方に歩いていく。

「キジですよ、怖がらずに逃げないから、もっとそばに寄ってみれば...」

初めて見た姿。私が三打目を打つボールのそばにいる。静かに近寄ってみた。本当に逃げないで芝の中をしきりにつついていた。餌を食べているに違いない。ミミズだろうか。

その姿をみると、この芝生の中でも餌はあるのだと安心した。

さて、ありがたいことだ。

「三ヶ月に一度くらいでも、まだ無理なの?」

なるべく回数を減らしてゴルフから遠ざかろうとしている私なのに、こうして何年にもわたって声をかけてくれる。

昼食の時も、周囲のテーブルに年輩の女性の姿があった。楽しそうに団欒している。

やはり細い絆でもプレーすることを断ち切ってしまわないほうがいい。仕事のおつきあいでまわるのではない、気兼ねがいらない人達だもの。

大切にしなくては...。

『お猿さん きじと同じく 顔見たい』



ayame1999 at 02:14│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!あれやこれや 

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