2008年12月15日
知らないことばかり.......... 第355編
「もなかのあれやこれや」
[VOON] 世田谷線 (声で)
週末、有意義な二日間を過ごすことが出来た。
まず土曜日の夜、いつもの店である仲間達と呑んでいた時のことだ。
お酒が入ると、普段恥ずかしくて話題にしないことを平気で大真面目に議論してしまうことがある。
この日もそうだった。
「恋愛のこいとはな、恋という字を書くんじゃないぞ。戀という字が本当だ。いとしい、いとしいと思う心のこと。またはの...亦の心じゃないんだ」
テーブルを挟んで激を飛ばしていたのはずいぶんお歳的に先輩の男性の人。
この男性は普段からすぐに男女の話題に持っていく人なので、私は話半分ぐらい程度しか耳を傾けない。しかし今回はめずらしく、興味を持った。
「戀は糸が二つあるだろう...。いとしい、いとしい、と言ってるんだ。だから恋の字を使うべきじゃないんだ。そんなものは恋でも何でもないんだぁぁぁ」
更に声が大きくなった。
「なるほどねえ」
私は感心してしまった。
すると今度はそばにいたもっと年輩の女性が
「こいはこいでもね.....昔、遊郭では来いという意味で使っていたから」
まるで芝居のせりふのように昔言われていた言葉を並べた。粋な言葉。とても私にはその言葉を覚え切れなかったので、ここに書くことは出来ない。
甘いも辛いも知り尽くした大人の言う言葉はなかなか味がある。ただ感心するばかり。
私はジョッキに入っているレモンサワーをぐいぐいとジュースのように呑むことしか出来なかった。
この「恋」と「戀」についての違いについては、面白いことを教わった気がした。たとえ、こじつけであったとしてもなかなかおつなものだ。
さて、日曜日は世田谷パブリックシアターに「あれから」というお芝居を観に行ってきた。
いつも知人のおかげでお芝居を観に行く機会に恵まれていて有り難いけれど、一人ではあまり積極的に行こうという気持ちにならない。しかし、運良くフラメンコの仲間にお芝居が大好きな人がいて、結構付き合ってくれるので助かる。
「あれから」のお芝居は、思いがけず仲間の息子さんも一緒に行ってくれた。
何回かお会いしているけれどじっくり話したのは初めてのことだ。
脚本も書いている方だから、お芝居をどういう視点で観ているのかとても興味があった。
私は失礼かなと思いながらも、いろいろなことを質問してしまう。
とても丁寧に答えてくれた。
土曜日の漢字のことも同じことが言えるが、知らないことを教えてもらえるのって本当に面白い。最後になってしまったけれど、一人一人が主役のような舞台だった配役を記しておきたいナ。
「あれから」
余貴美子、高橋ひとみ、萩原聖人、岩佐真悠子、柄本佑、金井勇太、赤堀雅秋、村上大樹、三上真史(D-BOYS)、植木夏十、山西惇、渡辺いっけい、高橋克実
『我の歳 大人なれども 足りぬ味 』