2012年10月26日

「作家の値段」を読んだあとで...。

                「もなかの心の寄り道&あれやこれや」
木曜日、フラメンコレッスンの帰り、私は数人の仲間と高輪に向かった。
これまでにも数回拝見した事のある、女流版画家の方の個展に出向いたのだ。

日本文学の太宰治、川端康成、林芙美子、宮沢賢治..等の小説を読み、作者の方がイメージした世界が、版画になっていた。

気の遠くなるほどの緻密な線。
独特な描写。
不思議な世界に導かれてしまう発想の驚き。

一本の線も見逃すまいと、私は額縁に顔を寄せていく。

さて、会場のギャラリー。
書店になっており棚に高級そうな本がズラリと並び、奥がギャラリーになっていた。

「普通の本屋さんじゃないなー」
雰囲気から、古書店だとは判る。
でも、何だか、私が見慣れている古本屋さんとは、ちょっと違うような。
並べられている本から私は語りかけられている気がした。

版画をじっくり鑑賞し終わり外に出ようとすると、名前と住所の記入を勧められ、順番に書いてゆく。

私は最後。
自分の番になるまで、古書店の棚を眺めていた。
昔出版された興味がある本を見つける。
腕を頭の上に伸ばし、手にとった。
後ろの頁を確かめる。

初版になっていた。

「やっぱりなー、もしかしたら、ここのお店は...」
他の本も大事に抱えると、後ろの頁を確かめた。

思った通りだ。
その店は、初版と限定本を扱う古書店だった。

偶然すぎるー、!
私は、不思議な力を感じた。

ちょうど、直木賞作家の出久根達郎氏の作品、『作家の値段』を読んだばかり。

内容は、日本文学の24人があげられ、初版ものか或いは限定版で、作品によっては、20万円、30万円も値がつけられる本がある事が書かれていた。

条件として、カバーと帯があること。
それは稀の本だとしても、数千円、数万円になってしまう本がたくさんあることを知る。

著者の出久根氏は、古本屋さんを経営しながら作家になった方だから、古書の世界は詳しい。
故にとても面白い。

でも...、まだ少々、ピンとはきていない部分もあった。

それが!
初版もの、限定で出版された本を扱っているという古書店に、私はやってきたのだ。
まるで招かれるように。

偶然すぎる。
出久根達郎さんに
『ほらね、ボクの書いたことは間違いなかったでしょう...」
と云われている気がした。

何て、良き日であったのだろう。
こんな素晴らしい版画の鑑賞に行けたうえ、おまけに、思いがけず読んだばかりの興味津々の世界に入り込むことが出来たのだから。

書きたい書きたい、と思いながら後回しにしてまだ書いていない他の本の感想もある。
近日中に、一緒に、まとめてホームページの方に残しておきたい。


ayame1999 at 22:50│ 心の寄り道 | あれやこれや