2012年12月10日

愛の贈り物

   「もなかのフラメンコ&心の寄り道」
愛こそすべての舞台の最後に、出演者達の腕が観客席に向かって、宙に舞った。
会場に歓声が上がる。
何か、私の胸にあたった。
真っ赤なカーネーションだ。

こんなにお花って重たかったかな。
とても重量感を感じた。

とっさのことで、両手を広げる時間もなかった。
でも、膝元に2本のっていた。

ラッキー。

私は隣の席に目を移す。
「どうぞ」
一本差し出した。
「いえいえ」
隣同士に座っていながら、互いに初めて顔を見合わせた。

見知らぬ人は、遠慮して手を振る。
「一本ずつ、コップにさしておきましょうよ、」
幸せが飛んできたような感じがした。
一人では、もったいなさすぎる。

その人は、じっと私の顔を見た。

「もしかしたら..5月頃の舞台に出ていた方ですか..」
発表会の事を言っていた。
まったく言葉を交わしていなかったのに、赤い贈り物がつなげてくれた。

「来年もあるのですか、もう決まっているのですか..」
「ハイ」
私は飛び上がらんばかりの声で、日付と、曜日まで付け加えた。

舞台は愛だけでなく、赤い糸まで教えてくれた。

余韻を胸に包み込み
「せっかく銀座まで来たんだもの、きれいに飾られたイルミネーションを見ていきたいナー」

銀座で仲間とお茶。
そして、人でごったがえす銀座を、キョロキョロしながら、テクテクテク。
おのぼりさん状態。

真っ暗になるまでの時間には、ちよっと中途半端。
それでも、暮れかかった街が彩られて、目を楽しませてくれる。

「さようなら」
先に帰る仲間と別れ、私は一人の腕を引っ張るように誘い、二人で表参道付近へ。

早く真っ暗になりますように...。
買うあてもないお店の中をウロウロ。

そして、テクテクテクテク...。

もっともっと歩いて行こうね。
テクテクテクテクテク。

「やっぱり帰ろう..」
踊るのは何時間も平気なのに、若いカップルで賑わう街中は疲れる。

もう昨日の事になってしまったのに、まだ私の胸の中には、舞台の余韻が詰まったまま。



ayame1999 at 11:27│ フラメンコ | 心の寄り道