2013年05月17日

感じられてよかった...。

         「もなかのあれやこれや」
水曜日、急遽所用が生じ、一人、気仙沼へ。
『もしかしたら数日帰れないかもしれない..』 
覚悟して向かった。

心配な事があったから出向いたのだけど、まあ、ひとまず大丈夫と判り、日帰りで帰宅した。
道中、目にし、感じたことを書き留めておきたいな...。

東北新幹線。
利用した時間帯が関係しているのか、往復とも混んでいた。
そして、特に、ビジネスマンが目についてしまう。

私の隣の男性は、書類をゆっくりめくっては思案の様子。
通路を隔てた横の席の男性も、ほぼ同じ状態。

「仕事で難題があるのかなあ..」
「それとも、会議で何かプレゼンするのかなあ...」

仙台に到着した。
書類と睨めっこしていた御二方とも下車。
窓越しに、ホームを見つめる。
背広姿の大勢がホームに降りて行く。

帰りの新幹線はその逆。
仙台からたくさんのビジネスマンの人達が乗り込んできた。

読みおえた本の内容が、まだ私の頭にこびりついている。
故にだぶらせてしまう。
『会社の為に.みんな頑張っているんだなあ』
企業戦士という言葉が浮かんでしまった。

一ノ関からは大船渡線に乗るつもりだったけれど、丁度良い時間のバスがあり、そちらに変更する。
一時間半程の道程。
三、四人の乗客しか乗っていない。
途中、杖をついたおばあさんが、別々の停留所から乗り込んできた。
でも、すぐに降りてしまい、長い時間、私を含めて乗客は二人のみ。

次の停留所を告げるテープの声が、受取人のいない手紙がさまよっているみたいに寂しく響く。

途中通った大通りで、復興道路という文字が目に入ってくる。

あの震災の三日後、秋田空港に飛び、情のこもったタクシーの運転手さんによってこの地にやってきた時の事が思いだされてきた。

今は、道もきれいになった。
建て直して新築された家もたくさん見受けられる。
でも、私には、以前よりずっとずっと静かになった気がする。

さて、帰りも、新幹線に乗る一ノ関駅まで、バスを利用した。
こちらは行きのバスと違い、観光バスみたいで快適。
『同じ値段なのになー』

何処からやってきたのか、すでに数人が乗っていた。
地元の人ではなく、遠方から来て帰る乗客ばかりのようだ。

「親戚が全部流されましてね」
だとか
「自分は小学校まではこちらにいたんですけど、引っ越しましてね」
「それは、かえってよかったですね...」
等々。
前の方から、乗客同士の会話が響いてくる。

私は、ずっと、外の風景を見続けていた。

耳に響いてくる声に混じり、数時間前に気仙沼から乗ったタクシーの運転手さんの声も蘇ってきた。
あの大津波に襲われた日、数人と一緒に、山越えのようにして家に帰ったと云っていた。
一ヶ月も仕事が出来なかったことも...。

日帰りのたった数時間だけの滞在。

あれから二年過ぎたけど、バスの中とタクシーの中で耳にした話から、まだまだ癒えていない事もたくさんある事を知る。

そんな中で手応えを感じた事だってある。

悲惨な光景がテレビで映し出されていた途中駅の仙台駅のホームは、人でごったがえしていた。
新幹線中で見た多くのビジネスマン達の姿。

油断すると、暗く感じた事ばかりに目がいってしまう。

でも、明るい兆しも見逃さなかった、と云える。
そんな自分で良かった、と思うことにした。



ayame1999 at 17:58│ あれやこれや