2013年06月08日

呼吸が聞こえる.◆ァヂ茖沓隠喫

          「もなかの心の寄り道」
「いい声だなー」。
合唱を聴きにきた私は、美しい声に聴き惚れていた。

一階の会場はほぼ満杯。
探せば席はまだあったけれど、あえて二階席に座った。
最前列中央。
カメラ席がそばにあり、時折、シャッターを押す音がする。

いつもは舞台に足を運ぶ時は、
『少しでも前の席に..』
でも、合唱は舞台から離れていても苦にならない。

いやいや、かえって、ひっそりと静まりかえった中で聴き入りたかった。
ポツリと何も考えず静かな空間で味わいたい。

知人が舞台に向かって、右から三番目で唄っている。
「よく覚えたなー」
楽譜を持たずに暗譜で唄っている事に私は感心しきり。

プログラムは、小品の曲や難解な曲織り交ぜ、次々と進んでいく。
中でも楽しく聴き入ったのは、パセリやナス、かぼちゃなど、野菜が主人公の曲。
特に、パセリの唄が気にいった。

パセリは、主役になれずお皿に盛られたお料理の添え物である意味を唄っていた。
「なるほど」
ニコリ。
私の頬が緩む。

ハンバーグでもオムレツでも、パセリが添えられているとお皿が彩られる。
何より料理が美味しく見える。
かぼちゃもナスも聴いていて楽しい。

それにしても人の声ってきれいだな。

オペラ歌手の独唱もたまらなくいいけれど、コーラスでハーモニーの声を聴くのもなかなかいいものだ。

私が合唱を聴きに行くなんて、数年に一度くらいのこと。
何も考えず、ポツリと聴いているのも結構楽しい時間だった。

「赤いろうそくと人魚」の作品を観た時と同じように、私は耳をすました。
「.....」
唄声だけでなく、確かに聞こえてきた。

私の心を穏やかにさせてくれる心音のような呼吸。
温かな息づかいを。



ayame1999 at 01:32│ 心の寄り道