2013年11月19日

命を刻んで..。

           「もなかのあれやこれや」
テレビの前で、始まるのを私は待ちかまえていた。
NHK番組クローズアップ現代で、亡くなってしまった、大好きだった作家の一人、
「山崎豊子」を取り上げるのを知ったからだ。

一口に言えば、社会派の人。
権力、国家という大きなテーマを根底にした分厚い本が多い。
どの作品も長い年月を費やして書かれた作品ばかり。

徹底的な取材と、膨大な資料を調べ上げて書かれた作品は
「もう一度読み返そう...」
なんて、重みがありすぎて、とても言えない。
この気持を誰にぶつけたらいいのかと、嗚咽したことが何度あったことか。

私の友人の一人に、御父さんがシベリアに抑留されていたという人がいる。
また、戦争孤児という言葉は、知識としてだけの上っ面だけなら知っていた。
大企業の合併問題等等も。

でも、身近な人が関連していたからとか、知識として知ったなどと並べたものの、本当は知らないことばかり。
深く教えてくれたのは、作家「山崎豊子」のそれぞれの作品だ。

私は、食い入るようにテレビを見ていた。
少しでも大好きな作家の日常を知りたかった。
初めて公開されたという書斎と資料室が映し出された。
生の声が録音されたテープや、資料が入った段ボールは所狭しと置かれている。
秘書の方は言う。
「これを書かねばならない!」
という思いで、
「命を削るように..」
書いていた、と。(もしかしたら少し言葉は違っていたかもしれない...。)

つくづく思った。
人それぞれに役割があるのだな、と。
「これを書かなければ..」
と強い使命感があっても、誰もが書けるものではない。
才能がなければ叶わないのだから。
世に送り出したのは、全てで3600万部だとの事。

たくさんの人に様々な事を伝え残していった方。
こんな逝き方が出来るなんて、羨ましい。

逝ってしまった、と云えば、もうずいぶん前に飛行機事故で亡くなった
『向田邦子』
数冊昔に読んだ記憶があるけれど、今は、
「男どき、女どき」
を読み出した。
面白い。
社会派とは逆で、日常の中を切り取っている。
こちらは劇的な逝き方だ。

どちらも命を削るように、命に刻んで書いていたんだなー。

ayame1999 at 23:57│ あれやこれや