フラメンコ
2012年11月16日
その背中..。
「もなかのフラメンコ」
木曜日のレッスン後。
「あ〜疲れたナー」
と思いながらも久しぶりに自習。
個人レッスンにしろ群舞にしろ、録音したものを後から確かめると、
『どうして、こんなに同じことを繰り替えし教えてもらっているのに、あの時、出来なかったんだろう』
聴きながら呆れてしまうこと多々。
よし、今度こそ、ちゃんと覚えた。
と思ったら、またまた、自分でアレンジしてしまい別のものになってしまっていたり。
まるでミステリーのような境地に陥ってしまう。
という事で、せっかくの自習の時間を取ったので、耳だけで確認するのではなく、今度は自分の姿をビデオで撮ることにした。
タブレットの中にビデオの機能がある。
私はカバンから取り出し、丁度いい角度になるようにセット。
ちょっと前だったらビデオを用意したもの。
今は、便利だ。
終了後。
へとへとに疲れた身体を引きずり、近くのカフェにたどり着いた私。
遅い昼食をまずお腹の中に入れると、撮ったばかりのビデオを開く。
『おかしいな〜、もっときれいにステップを踏んでいたと思っていたのに..』
『おかしいな〜、腕が...』
『おかしいな〜、音程が...』
『あー、おかしいな、おかしいな』
首を傾げた回数は何度あったことか。
どうしてビデオには嫌な所ばかり映っているんだろう。
でも、すぐに思い返した。
ダメ出しばかりで正解なんだと。
だから、楽しいともいえる。
毎回撮って見るのはきついものがある。
でも、客観的に自分の後ろ姿を見つめる事は、いいかも。
背中の姿。
自習の時、これからも、たまにでいいから撮ってみようと思った。
でも、心がけておかなくてはいけないことがある。
発表会後に観るDVDと同じ。
反省ばかり。
必要以上にがっかりして、自信を失ってしまわないように、くれぐれも気を付けなければいけない。
「本の感想、ホームページに更新しました」
『背中より 私の気持ち 撮してね』
2012年11月03日
その目は冬を飛び越えているけれど..。
寒いよ〜。
時は待ってはくれない。
暑さを超え、やっと心地よい日々が、と思ったら、あっという間にグッバイ。
身体を縮こめてしまう季節となってしまっていた。
何もそんなに急がなくてもいいのに。
もっともっと、じっくり人生を楽しませておくれよ、と云いたい気分。
でも、いったい、誰が私の願いを叶えてくれるというのだろう。
融けない雪道だったら、今年の10ヶ月間の足跡を残せたかも。
ハタ、と気がつくと何をやってきたのか忘れてしまうことが多すぎる。
もちろん何があったかぐらいは予定表を見れば判る。
でも、感じた想いは流れていってしまう。
このブログは、過去の自分に出会える大事な場となりつつある。
さて、来春の4月にお教室のフラメンコの舞台がある。
その舞台の為の振付も始まった。
私は集中して必死に覚えようしているこの時期が好きだ。
以前は苦手だったけれど..。
今は、ひたすら順番を覚えていき、そして余裕が出来てくると曲と踊りに身をゆだねる事が出来るようになっていけるはず。
それまでの過程の数ヶ月間が、大好きだ。
フラメンコに限らず、そして好きな事だけでなく、全てについて言えること。
さして目標なんて持たずに、淡々と続けてきた気がする。
これからだって同じ。
淡々といこう。
でも、目は寒さを飛び越え温かな春を見ていても、心の中の融けない道には、一歩一歩、飛び越えずに歩んでいきたいよー。
「やっと、ホームページに、新しく読んだ本の感想を追加しました。」
2012年10月17日
高くなるのは...。
もう10日も前の事になってしまった事だけど..。
私は恵比寿にあるサラアンダルーサに行って来た。
まだ猛暑の真っただ中、八月の事だったか...。
知り合いの方から、出演するという連絡を頂いた。
数ヶ月前からのお誘いだったことも幸い。
これまでなかなか自分の都合の良い日と重ならなかったけれど、やっと実現出来た感じだ。
開演予定よりずいぶん前にお店に到着。
スペイン人のアーティストがカウンターでグラスを傾けながら賑やかにお喋りをしていた。
カンテの方は、発表会でも唄ってくれた方の中の一人。
数ヶ月間、日本に滞在しているのは知っていた。
でも、今回は踊りの方のお誘いを受けて、やってきた。
だから、私にとっては
「ラッキー」
店内に入っていくと、カンテの方が、太い腕を広げて近寄って来てくれた。
「覚えていてくれたんだー」
まるで私は子供。
こんな事で喜んでいるなんて。
後日。
スペイン語に詳しい仲間が我が家にやってきた時に、この事を報告。
雑談をしながら..、
否。
とても中身の濃い雑談に耳を傾けながら、毎度のことだけど、もっともっと勉強しなくちゃいけないな、と反省しきり。
でも、ずいぶんこれまでにも反省を積み重ねてきたなー...。
ありゃありゃ!
「高くなりすぎて、いったい、何を反省したのか見えなくなってしまったよー」
『重ねるは 反省数と 歳ばかり』
2012年08月29日
2012年、フラメンコ新人公演..。
「もなかのフラメンコ」
ふ〜。
日曜日、フラメンコ新人公演から帰宅すると、
「し〜ん」
家の中に賑やかに響いていた声はなく、16日振りに静かになっていた。
午前中までうるさかったのに..。
いつもの時間が戻ってきて
「ほっ」
その、新人公演。
三日間の日程の中、2日間だけ行ってきた。
最終日を見終え、会場を出ると、
「夏もいよいよ終わりだな...」
そんな気持ちにさせられてしまう。
さてさて、あくまで順位を問うのではない、との事だけど、やはり賞が設定されている以上は、結果が気になってしまう自分。
だから結果が出ると、自分の記憶をたぐり寄せて
「わーい、私も選んでいた人が受賞していたよー」
と、喜んだり。
逆に頭の中に◎印を付けていた人の名前がないと、がっかりしてしまったり。
当事者でないのに、誠に忙しい。
まあ、そんな思いを毎年繰り返しているということは、自分の感想との違いを確認するのが、楽しみのうちに入っている、という証しかもしれない。
「お疲れ様〜」
どの出演者の人にも、その言葉を掌に挟んだ。
一曲終える毎に心を込めて拍手。
様々な出演者が一堂に会する、素晴らしい場所。
それだけで楽しいのに、加えて私の目力、耳力も鍛えさせてくれる気がしている公演。
来年も楽しみだ。
最後に、お天気の神様にお願い。
熱い情熱の舞台は終えた。
だから、猛暑も幕を早く閉じておくれよ〜。
2012年07月11日
私だけではなかった...。
「もなかのあれやこれや&フラメンコ」
日曜日の朝、千葉の金谷に向かっている途中の事だ。
アクアラインの両側の東京湾を私は交互に見つめていた。
あとどのくらい走ったら到着するのかなー..。
月に一度参加している東京のマンドリンクラブの一泊合宿。
行き先は千葉の金谷にある保養施設。
私は近場の駅まで迎えに来て下さったメンバーの車に同乗させてもらった。
運転席の人が、軽い咳をした。
「大丈夫ですか...、どうぞ、ご無理しないで下さいね」
私は後ろから声をかける。
聞けば、数日前に高熱を出し、かかりつけの病院で注射を打ってきたとのこと。
自分も同じく数日前に9度7分の熱を出し、なかなか下がらず苦しんだばかり。
故に他人事とは思えない。
長時間運転して疲れないか心配だった。
いやいや、その人ばかりではない。
隣の、そして、助手席の人も軽い咳をしている。
効けば、熱こそ出していないけれど、体調を崩していることを知った。
『な〜あんだー、私だけじゃなかったんだー』
同病相哀れむ...というか、親近感までわいてきてほっとしてしまう。
「本当に乗り心地がいいですねー」
自分の家のオンボロ車とはまるで違う超高級車。
私だったら怖くて、絶対に近づきたくない車種だ。
でも、乗る側になるのは大歓迎。
私はまだ喋ると咳が出てくるので、飛び交う話に耳を傾ける事に専念。
前の席の二人は仕事の延長の話をしている。
『へーえ..、その仕事に関した、中国の実態はそんな感じなんだー』
私は心の中で呟いた。
テレビなどで知る情報とは全く違う。
聞いていて面白い。
『へーえー、あの国で入札する時は..』
会社を経営していて主に東南アジアを頻繁に訪れているお二人。
一人はジャスダックに上場までさせた人だと仲間から聞いた事がある。
隣の方も、似た仕事をしてきた方で...、時々二人の話の説明を小声で私に通訳するように教えてくれた。
メンバーの中には本当に様々な方がいる。
一番嬉しいのは、絶対に自分の口から、職業の話はしないことだ。
今回のように、自然の成り行きで仕事の話になり、聞いている自分にとっては、生きた勉強、生の講座を聴きに何処かの会場に来ている感じを味わせてもらえた時は嬉しい。
社会勉強させてもらっているみたいだ。
さて、到着。
「何てきれいなの!」
窓から見えた海にうっとり。
先程、助手席に座っていた方は一曲20パート以上の楽譜を書き続け、もう二人はギターを抱え、厳しいダメ出しの指摘に、少しでも近づけようと必死になっていた。
私は、..といえば、
『あ〜ん、腰が痛いよー』
周りの人に弱音を吐き続け、頻繁に足を組み替えたり、椅子を換えてみたり。
数日間、寝続けた反動がきているのか..。
落ち着かない事、甚だしい。
あの三人、そして他の方達の真剣さに比べると、今思い出すと申し訳なさで身が縮んでしまう。
さてさて、話が前後してしまったけれど、マンドリンの合奏と比べ、確実に太い方の軸のフラメンコ。
今、私は土曜日にフラメンコのフィエスタを無事に終えることが出来、ほっとしている。
今回は特に、やりたかった事が実現出来、とても嬉しい。
去年の震災の時に一ヶ月延長された舞台。
その折り、ミセスの仲間と一緒に唄いながら踊った曲がある。
とても情感がこもった曲。
唄えば唄うほど好きになった。
『いつか、もう一度できたらいいなあ..』
何も具体的になんて考えていない。
でも、胸に秘めていた。
それが、全て同じ振りではないけれど、形を変えて生まれ変わった。
発表会で唄いながら踊らせてもらったペテネーラと同じ。
それは、何年も、何回も皆と一緒に唄いながら踊ってきた体験があったからこそ、実現出来た事は云うまでもないこと。
フラメンコに
「ルンベーラ」
と呼ばれる方がいる。
たぶん、ルンバを唄いながら踊る方の事だと思う。
私が経験させてもらったのは、何と言えばいいのだろう。
いい名前があるといいなあ。
なかったら、誕生したら、いいなあ。
フィエスタの会場、サラアンダルーサでは、
「あ〜、何ていい曲なんだろう、」
心の中で必死に、
『無事に唄えますように』
と願いながらも、この曲の素晴らしさに酔いしれていた。
フィエスタの出演者の中にも去年一緒にこの曲で踊った仲間がいた。
だから出演者の合同練習の時、不安だけど、力をもらえていた気がする。
終演後、お客様とちょっと言葉を交わせる時間があった。
「あの曲をやったのね.♪♪♪♪ ♪♪...」
去年一緒に同じ曲を共有したクラスの一人が、ニコニコ顔で声をかけてくれた。
思いもよらなかったようだ。
その笑顔を見ると、途端に私の嬉しさが二倍に膨らんだ。
千葉に向かう途中、私だけでなく三人も体調をくずした事を知って
「ワーイ、自分だけじゃなかったんだー」
と喜んだ私。
フラメンコの時も、意味は違うけれど、
「ワーイ、この曲が好きなのも、自分だけじゃなかったんだー」
いろいろあった数日間。
今日あたりから、疲れきっていた身体も、少し戻ってきたような気がしているのだけど..。
『 一年後 曲と再会 胸キュンと』
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
フィエスタは下記のように催されました。
ARTE Y SOLERA Fiesta
会 場 :サラアンダルーサ
日 時 :7月7日(土) 19:00〜
カンテ :クーロ・バルデペーニャス、瀧本 正信
ギター :鈴木一義
パルマ :佐藤浩希、 末木三四郎
出 演 :「鍵田真由美.佐藤浩希フラメンコスタジオ生徒」
2012年06月18日
エルフラメンコへ..。第650編
「もなかのフラメンコ&あれやこれや」
鮮やかに長いスカートが宙を舞う。
ここは伊勢丹会館の中にあるエルフラメンコ。
ヘスス.オルテガ グループのショーを観に、私は久しぶりにエルフラメンコにやってきた。
バタデコーラの衣装で発表会で踊ったばかり。
練習の時、転んだこともある。
流暢に身体と一体になってくれるように..と四苦八苦。
故に、興味深く、これまでの自分とは違い、華麗に舞う姿に魅了されてしまった。
お誘いして下さった方のおかげで、混んでいる土曜日の夜なのに、一番前の正面で堪能出来た。
最近踊りを再開したとのことで、フラメンコの話題で花が咲く。
時間は経ってしまったけれど、発表会に観に来てくれた時の感想も聞かせてくれた。
ひとこと、ひとことの言葉に感謝、
この方と同じく、なかなか顔を会わす機会がなくても、精神的に助けてもらったり、至福の時間を頂戴したりする人がいる。
まさに土曜日は、人との出会い、繋がりの有り難さを心底から実感させられた日だった。
「そうだ!」
出会い、繋がりといえばこの数日間で初めての出会いもあった。
小学校の体育館で全校生徒の前で舞台に上がった。
別の場所では、障害を持ってしまった人の集まり(脳梗塞などで身体が不自由になってしまった人達の会)に、ボランティアに参加させていただいた。
静かに舞台に目を向けてくれた可愛らしい顔。
そしてマンドリン演奏を聴いてくれた後、
「わしゃ、コーラの瓶を持って、リハビリに頑張っていますよ、ワッハッハ..」
と豪快に笑った95歳のおじいさんの顔。
どちらもいい顔だった。
そしてもっと面白い場面に遭遇。
水曜日病院に行き、採血の順番を待っていた時のことだった。
私の左側の見知らぬ同士の二人が世間話を始めた。
短時間のパートの職を探している年輩女性。
私の目には、とても好印象が持てる二人の話し方だった。
話の聞き役だったもう一人の年輩女性が、
「もしよかったら、いらして下さい..」
電話番号、住所と地図をメモ帳に書き、職を探しているという女性に渡した。
私もよく知っている或る仕事場だった。
「いいなあ...」
私も紹介して下さい、と一瞬言いたくなってしまった。
昔から、袖振り合うも他生の縁、とはよく云ったものだ。
いつ何処で誰に助けてもらえるものか判らないもの。
こういう場面に出会うと嬉しくなってしまう。
話をエルフラメンコに戻す。
ヘスス.オルテガ グループのショーは見応えがあった。
ぜひぜひ、お薦めしたいな。
そして、これからもバタデコーラの長いスカートと同じ。
たまにしか会えなくたっていい。
せっかく繋がりを持てた人とは、折りにふれて会えたらいいなあ。
『袖なくも 心ふれあう 出会い有り 』
2012年05月29日
静まりました..。
世間では、金環日食の話題で盛り上がっていた。
過去日本で広範囲に観れたのは、大雑把にいえば、約千年前だとの事。
「こりゃ、タイヘンダー」
専用の眼鏡も用意しなければ...。
しかし、後まわしにしてばかりで、買うことはしていなかった。
観測出来る当日のことだ。
発表会を過ぎたのだからと、前の晩は眠たい目をこすり、パソコンで溜まっていた雑用を続けていた。
徹夜と同じ状態で。
故に。
心待ちにしていた宇宙の大祭典の朝。
「ガ〜ン」
外からの賑やかな声に目を覚ました私。
「あ〜ん、悔しいよー」
舞台を終え地団駄を踏んだ記憶がまだ生々しいのに、数日後に、再び同じ気持ちを繰り返すなんて...。
また観れるのは、私の住む地域では300年後とのこと。
逃した貴重な時間を取り戻すように、私は関係したテレビ番組を見まくった。
「ヘェェェェェェ、毎年3.8センチずつ月は地球から離れていってるんだー」
「へ〜エエ、オーロラって太陽の嵐の風が4日後に地球にぶつかるからかー」
「へーエエ、その太陽風が2週間後には木星に..」
「ヘーエエ、3週間後には土星の輪に到達..」
「ヘェェェェ、16億キロ離れた冥王星で太陽風は消滅するんだー」
面白い。
夢中でテレビの画面に見入った。
帰宅途中の夜空を見上げ、ぽっかり浮かんでいる様々な形のお月様を見るのが好きだった。
何座か知らないけれど、星を見上げるのもお気に入り。
特にお日様は、「太陽」という言葉事態が大好き。
「それなのに」
他の事だったら、
「きっともう一度..」
諦めずコツコツと努力し待っていれば、逃した夢が叶う事もあり得る。
「でも..」
金環日食は、待っても待っても、同じ場所からでは見上げるチャンスは二度とやってこない。
さてさて、最後に。
フラメンコ教室でお世話になっている講師の先生のリサイタルがあった。
こちらは、見逃さずに済んだ。
発表会のことや、金環日食の話題など色々気持が彩られたり、そわそわと忙しかったりしたけれど、今は静まったしだいだ。
★☆★☆★★☆★☆★☆★★☆★☆★★☆★☆★☆★
踊り、そしてカンテ、ギター、パルマ、とても素晴らしい舞台を観てきました。
会場で頂いたプログラムです。
踊り :末木三四郎
カンテ:マヌエル.デ.ラ.マレーナ
ホセ.ガルベス
ギター:マレーナ.イーホ
斉藤 誠
パルマ:矢野吉峰
アグスティン.マンチェ-ニョ
2012年05月22日
発表会を終えて...。
「もなかのフラメンコ」
中野ゼロホールにてのフラメンコ発表会が終わった。
本番という終着点に到達する為の方法を、目には見えない地図の上に、綿密にルートを書き続けていたつもりだった。
それなのに...、
人生と同じ。
アクシデントがあったり、
思ってもいなかったことをしていたり。
例え他人には判らなかったとしても、自分にとっては悔しくて地団駄したくなることがある。
まあ、その思いを繰り返しているからこそ、続けてこれたのだろう。
終えた今は、振り付けから構成、そして最後の最後まで妥協せず、少しでも良くなるように...、
と指導してくれた先生方に感謝、感謝の気持ちでいっぱいだ。
本番を過ぎるまでは..との思いで書くのを控えていた曲名は
カラコレス
ティエントス
ペテネーラ
この三曲を踊った。
長い裾をエレガントに使いたいと必死だった、バタデコーラで踊ったカラコレス。
転ばないように...、
仲間の裾を踏んで迷惑をかけないように...、
細心の注意を払いながらも、そんな気配を感じさせてしまわぬように、と練習した日々。
終えてみれば、長い長いスカートが懐かしい。
最後のタンゴで賑やかに、そして楽しく踊ったティエントス。
自分にとっては、スリル感いっぱいだった。
きっと長い間、忘れられない振り付けの曲になるに違いない。
独りで唄いながら踊ったペテネーラ。
私の身体の中に、ペテネーラという女性が奥深く入り込んでしまったようだ。
舞台が終わっても、目が覚めると唄い、化粧室やお風呂に入ると唄ってからでないと出てはこれない。
ついでに頭の中の足はコントラの部分を踏んでいる。
どのくらいの月日を経たら、この習慣は消えるだろうか。
特に大好きな宝の曲が、また一曲増えたということになる。
そして私は欲張りなようだ。
唄も踊りも細かく教えてもらったこのペテネーラ。
両腕で胸の前で抱きかかえ、当分誰にも見せたくなくて隠してしまいたい。
さてさて打ち上げは一次会で失礼し、近くのホテルに泊まり、昼近くに自宅最寄り駅に到着した。
大きな荷物は送ったから身軽。
信号を渡ろうとすると、時々しか利用しないけれどバスが停車していた。
バス乗り場に戻り、吸い込まれるように乗り込む。
背中に何か背負っている女性が乗り込んできた。
あれ?
マンドラを背負った、地域のマンドリンクラブで一緒の仲間だった。
『そうか〜今日は合奏練習日だったんだ..』
でも、それにしては早すぎる時間だ。
訊けば、いつもより早く家を出て電車にそのまま乗って来てしまったのだという。
「フラメンコの舞台だったのよね〜あんな激しいステップ踏んで、あなたよくやるわね〜」
「まあ、好きだからね..」
以前マンドリンの余興で踊った事があるので、その時の事を言っているのかと思った。
「でも、本番に間にあってよかったわー」
「......?」
「エッ、もしかして..来てくれたの?」
チラシだけは渡していた。
でも、遠いし、用事もあるからと確か云っていた人だった。
「その日にならないと判らないから黙って行ったのよ...」
いつもの言葉の通り、ぶっきらぼうに言う。
覚えている衣装の色や特徴で、何人かの感想を聞かせてくれる。
さすがに疲れていた私は、練習は欠席するつもりでいた。
でも、思いがけない人が、遠路はるばる来てくれた事を知ってしまっては、さぼるわけにはいかない。
歩こうと思っていたのに、吸い込まれるようにバスに乗り込んだ事。
出会った事が不思議な時間。
偶然が重なった。
というわけで、いつもと変わらず五時までみっちり合奏に参加。
家に帰ると頂いたメッセージ等を開き、ちょっと涙腺が緩んでしまう。
そして客席に足を運んでくれた人達の顔を思い浮かべる。
心から
「有り難う」
と呟いたしだいだ。
2012年05月18日
きっと明日はいい日...。
長かった時間が終わろうとしている。
明日本番のフラメンコ発表会。
この舞台、とてつもなく、いろいろな意味で大舞台だと知っているから、毎年、相当な覚悟で向かう自分がいる。
例え本番に間違えたって、それはしかたのないことだと、重々承知している。
でも、一つの作品として出来上がるまでの過程において、皆の並々ならぬ舞台に向ける姿勢を知っているからこそ、自分の中で、もがきなからの日々となる。
そして、何もかも経て最後には、
「うんと楽しもう」
と毎年なる自分だ。
今週になっての音合わせでは、ギターの音色に涙を抑えながら踊った曲がある。
カンテの声を、心底味わいながら踊った曲も。
「何て皆、エレガントで素敵なの!」
自分もその中で一緒に踊っているなんて信じられない思いで、チラリと全体を観て踊った曲。
どの曲も、明日踊る曲だ。
濃密な時間の中、13日の日曜日はマンドリンメンバーと、老人施設を訪問。
演奏を聴いてもらってきた。
そして今週に入ると、杉並公会堂での、マンドリンパート練習に参加。
何れも、何ヶ月も前から予定されていた事。
フラメンコと重なっていないかぎり、どの事もおろそかにしてはならない。
「楽しみにしていますからね」
優しく声をかけて下さる方。
意気込みだけは、けしてプロの方に劣っていないと思っている自分。
どの場でも、心のこもった言葉を目にしたり耳にすると、私はもりもりと、力が沸き上がってくる。
「そうだ!お伝えするの忘れてしまったけれど知っているかしら?..」
明日は中央線、三鷹〜立川間、14時15分から終電まで運休だとの事。
ちょうど、その運休駅間に住んでいる方がいたのに...。
別のルートで...とお伝えしなければ。
★★★★★☆★☆☆☆★
「鍵田真由美.佐藤浩希フラメンコ教室発表会」
5月19日土曜日
中野ゼロホール
開場 5時半
開演 6時
前売3千円
当日4千円
全席自由
たくさんの人に観てもらいたいです。
2012年05月10日
額縁の中のフラメンコ...第645編
いよいよフラメンコのクラス練習が木曜日で最後になった。
来週はスペインから来日したアーティスト達をも交えて、数回音合わせをしたら本番だ。
水曜日。
ミセスクラスの曲の自習練習に出かけた。
毎回クラスの後に一時間、先生がついてくれている自習時間があるけれど、それとは別個に、仲間のどなたかが、スタジオを借りてくれたのだ。
私も便乗。
結構な人数が集まっていた。
行ってよかった。
最後のこの場に及んで、...、
と、云われてしまいそうだけど、出来ていない微妙な個所に気付いたところがあった。
そして、お腹ごしらえを済ますと、私は上野の東京都美術館に向かった。
知人の絵が展示されている。
行ける日は...と、暦と睨めっこの状態が続いていた。
木曜日が最終日。
一日前に行けたのだから、ぎりぎりセーフ。
去年、地元で参加している楽器仲間の油絵が、都知事賞に輝いて上野に足を運んだ覚えがある。
今回は、その方とは別。
とは、いえ、こちらは東京のマンドリンクラブでご一緒の管楽器担当の方。
皆から、素晴らしい絵を描く方で...、
と、噂を聴いていたけれど....。
会場に向かうまでの、青々と繁る木の葉。
鮮やかに咲いた、つつじ。
そして、たくさんの人々の姿を見ながら歩くのも楽しかった。
招待状を差し出すと
「◎○○先生は3番の会場にございます...」
とのこと。
受付には、展示されている絵のポストカードが売られていた。
さっそく、お目当ての方のポストカードをお土産に求める。
会場に入ってみると、私の背丈より大きな絵がズラリ。
絵の事等さっぱり判らない私は、もう一度受付に戻った。
「あのう、すいません、こちらに飾られている絵は、号でいうと、どのくらいの大きさの絵なんですか?」
「100号から、もっと大きいものもございます」
教えてもらったはいいけれど、100号とはいかほどのものか私には判らない。
でも、
「やっぱりねー」
などと、首を縦に振って再び絵の鑑賞に戻った。
額縁の中の絵に、時間を忘れて見つめてしまう。
『私も、こんな大きな大きな額縁の中におさまるような、魅力的なフラメンコが踊れたらいいなあ..』
水曜日の天気予報は、雨や雷が...と云っていた。
でも、上野の山は、まだ傘は必要なかった。
絵を観た後は、ゆったりした椅子に座って一休み。
そして、買うあてもないのに広々とした売店をのぞく。
ガラス越しに傘をさして会場に入ってくる人の姿が見えた。
「本格的に雨が降りだしたら大変!」
私は腰をあげた。
★★★★★☆★☆☆☆★
「鍵田真由美.佐藤浩希フラメンコ教室発表会」
5月19日土曜日
中野ゼロホール
開場 5時半
開演 6時
前売3千円
当日4千円
全席自由
たくさんの人に観てもらいたいです。
2012年05月04日
もう一つおまけに...。
新しい月に突入。
大型連休はきっとたくさんの人が旅行や休日を楽しむのだろうなあ。
家族は木曜日早朝、東北に車で出かけた。
連休中で渋滞に巻き込まれるのは一目瞭然。
『よせばいいのに...』
大雨も重なり、目的地に到着するまで15時間かかったとのこと。
口にこそ出さなかったけれど....、
「ほら、みたことか!」
私の連休旅行は直江津に、小川未明の「赤い蝋燭と人魚」という舞台を観に行ったこと。
越後湯沢に到着すると
雪がまだとけずに残っている場所がある..。
「そうだ、今年は...」
大雪で、屋根の上の雪を落とすために、大変なご苦労があった事を思い出した。
次に乗り換えた、はくたか号。
新幹線とはまた違った、旅行気分を味わせてくれた。
何よりも...、行ってよかった。
翌日は..ギャー。
大変だ、五月ではないか。
19日のフラメンコ教室の発表会が間近ということだ。
さてさて、その舞台、今年も皆で唄いながら踊る、という曲もある。
そして、その延長線上に実現した曲も控えている。
皆と一緒に、踊って、唄って、...の積み重ねを経験してきたからこそ可能となった曲。
でも、弱気になりかけた自分がいた。
今は違う。
踊りだって、カンテだって、もう一度教わってきた事を頭に叩き込めば、何も恐れることはない、と思えるようになった。
今日も、お教室でドキドキ感を味わってきたけれど、
ファイトー
ファイトー
もうひとつおまけに
ファイトー
★★★★★☆★☆☆☆★
「鍵田真由美.佐藤浩希フラメンコ教室発表会」
5月19日土曜日
中野ゼロホール
開場 5時半
開演 6時
前売3千円
当日4千円
全席自由
一人でも多くの方々に観に来てほしいです。
お時間ありましたら、ぜひお越し下さいね。
2012年03月27日
笑う..から幸せ
二週間前ぐらいだっただろうか、近所に住む友人の家にふらりと寄った。
そうだ。
確かあの日は雨が降っていた日。
私は、傘をさして散歩したくなって駅まで行き、二つだけケーキを買うと、友人宅に向かったのだった。
毎回、訪問するたびに、
「久し振りねー」
と第一声。
互いに近況を話している時、彼女が一冊の本を出した。
「はい、この本プレゼントするから」
NHK、Eチャンネルでやっていた100分de名著のテキスト11月号。
アランの幸福論だった。
私も数回観た事がある番組だ。
でも、幸福論の時は一度も観ていない。
ボランティア精神を持ち、活動もしている人だからいろいろ考える事があったのかもしれない。
「数冊買ってしまったから..」
そういって私に差し出してくれた。
表紙の左下には
「”幸せ”だから笑うのではない、”笑う”から幸せなのだ」
と書かれていた。
ズキン。
判っちゃいるけれど、痛いところを突かれた気がして胸に刺さった。
さっそくページをめくった。
何だか哲学的な事が書いてあるなー。
アランの幸福論を読んだらきっと難しくて読み切れないだろうな、と思った。
テキストだったので、大事なところが抜き出してあり解説式になっているので、助かった、というのが本音。
ハッとさせられる言葉が出てくるたびに、赤線を引いていく。
あるページはもう一度読もうと、ページを折る。
「頬笑み」の重要性も何度も出てきていた。
さて、話はがらりと変わる。
私は行く事は出来なかったけれど、(鍵田真由美.佐藤浩希フラメンコ教室)の先生が携わっていた
「すべてを超えて」
という舞台が日曜日に終わった。
湖西市で、障害がある人もない人も共にという舞台。
今、とても行けなかったことが残念でならない。
行って観てきた方に、いかに素晴らしい舞台であったかを、ちょっとお聞きすることが出来た。
あふれんばかりの笑顔が散らばっている様子が目に浮かんでくる。
幸福論に書かれていた、頬笑み。
そして、テキストの表紙に書かれていた
「....笑うから幸せなのだ」
赤線を引いた言葉がいっぱい浮かんでくる。
きっと素敵な微笑みがいっぱいあったに違いない。
私も、笑顔を観て、笑えたはずだ。
残念。
『くしゃくしゃに 笑う顔見て また笑い』
2012年02月13日
どうして光ってるの?第625編
また日付を戻す。
2月5日。
私は恵比寿にあるサラアンダールサに向かっていた。
ずいぶん前に、今のお教室で一緒に群舞で踊ったことのある方から、ぜひに....と案内メールを頂いていた。
ティエントスの踊りも観れるとのこと。
いつもお断りしていたけれど、途端に
「観たい」
と、返信していた私だった。
開始直前に到着した私は、客席を見渡した。
知っている顔らしき人は見当たらない。
独りぼっちは淋しい。
感想を言いながら帰ることが出来ないから。
日本人だけでなく、スペイン人アーティスト達も出演していた。
私は一部が終えると、踊り終えたばかりの誘ってくたれ人に挨拶を済ますと、足早に駅に向かった。
すれ違った人の耳に、私の独り言の感想が聞こえたかもしれない。
そして、更に嬉しかったのは9日と10日に、続けてやはりフラメンコライブを堪能出来た事。
場所は赤坂のノベンバーイレブンス。
今回の赤坂では、私が通っている教室、ARTE Y SORERAが関係しているライブだった。
感想を此処に書いても、きっと手前味噌と思われるだけのことだから書かないけれど、
ひとこと。
限られた小さな空間だけど、
「多くのフラメンコを踊っている人達に観てもらいたかったな」
大きな舞台での公演とはまるで違う雰囲気。
始まる寸前まで、食器の音をたてながら行きかう中でのライブは、独特な味がある。
この味を、来週の金曜日にもう一度。
2月にこんな贅沢をしてしまうのだから、来月からは、しばらく静かにしなくては...。
さて、赤坂のお店でのこと。
ある女性が、しとやかに入ってきて私達と一緒のテーブルになった。
顔なんて見ていないのに、入ってきた途端に、びんびんと光を感じてしまった人。
「おかしいなー、ラメのお化粧をしているわけではないのに..」
ひっそりと私達の奥に座った。
とてもきれいな方だった。
でも、美人でもちっとも輝いていない人をたくさん知っている。
この輝き方はいったい何なのだろう。
まじまじと見ては失礼になるので、目を反らす。
私は背中の仲間と言葉を交わすために、身体をよじる。
その瞬間に、その女性と目があった。
微笑んでくれた。
「どきっ」
男性だったら、イチコロだ。
私もあわてて笑顔を返した。
「あっ」
お正月の頃を私は思い出す。
私の脳裏にはっきりと名前が浮かんできた。
フラメンコとはまったく関係のない方。
何て気さくな方なんだろう。
頬笑みをきっかけに
「生徒さんですか?」
と尋ねてくれた。
感激。
一部が終えると、もうその方の姿はなかった。
幻想的だ。
もう遅すぎるよ、いったい何歳になったと思っているのだ、とお叱りを受けてしまうに違いない。
でも、私も、あんな女性になりたいと思った。
もちろん、姿、形ではない。
光らせてもらえるような、何かを持ちたい。
金のネックレスは持っていないし、これからもいらない。
ラメ入りのおしろいも。
外す必要もなく、何重にも上塗りをする必要もない何かを....。
『我観たり 輝やくバイレ そして笑み 』
2012年02月09日
VENGO
立春が過ぎると、不思議。
あんなに厳しい寒さだったのに、急に、何かがほどけた気がする。
夕方になると寒いけれど、昼間は、震えるほどの寒さを感じなかった。
これからは、また寒さがぶり返したとしても、ひと雨ごとに春に向かって行くのだろう。
さて、今日は家にいてあれこれ。
まずは、優先順位をつけて、雑用を。
そして自分の時間がくると、特に最近聴きたいと思っていた曲や、録画していたものに目を通した。
聴きたかったのは「 NACI EN ALAMO 」
もうずいぶん前に観に行ったフラメンコ映画。
VENGO、の中で流れていた曲だ。
なんとも云えない、せつない女性の声に惹かれ、覚えたくてCDを何回も繰り返し聴いたことが懐かしい。
「いい曲だなー、唄いたい、覚えたい...」
口をこんがらかせながら歌詞を手にしていた。
でも、唄うどころか、書かれているスペイン語の歌詞をスラスラと読むことさえ出来なかった。
時折ふと思い出すと、また歌詞を手に挑戦した。
でも、お手上げ。
いったい何度挑戦したことか。
その曲を、久し振りに聴いた。
「あー、やっぱりたまらないよー」
私は胸に掌をあてた。
『そうだ、この感じ』
この胸がキュンと鳴る感じに、最近私は何回もなっていた。
簡単にいえば、せつない気持ち。
今、私は五月の発表会で皆と一緒に唄う曲を必死に覚えている毎日。
そして、もう一曲別な曲を、頭に、身体に、染み込ませようとしている。
だから、参考にしているCDからの曲を何回も聴いている。
ところが、困った。
聴けば聴くほど、せつなくて、たまらなくなってしまう。
歌詞の意味を解釈して、せつなくなるのではない。
何といったらよいのか...。
この気持ちは、何かの曲の唄声を聴いた時もなったことに気付いていた。
胸がキュンとした記憶。
すぐに判った。
映画の中で流れた「NACI EN ALAMO」という曲を唄っている声だと。
歌詞の共通さはない。
旋律が似ているわけでもない。
私に響いてくるものが同じということだ。
覚えようと試みたのは、いつもオーディオの前で。
何で今まで気付かなかったんだろう。
いやいや、ずいぶん前に観た映画で知り、その時に求めたもの。
あの時はパソコンで音楽を聴くということがなかったような気がするから、仕方のないこと。
私は「VENGO」のCDをパソコンの中に取り入れた。
ここから、ICレコーダーに入れることが出来る。
今は無理だけど、五月過ぎたら、今度こそ、この曲を覚えよう。
予感がしている。
きっと、もがいている最中の今を通りこせば(身)となって返ってくる。
「今度こそ、絶対に諦めず、唄えるようになるに違いない....」
と。
『脳の中 USBメモリに 入れたいな 』
2012年01月04日
迷い道。
「もなかのあれやこれや」
昨日の続きとして書きたい。
引き続き箱根駅伝を観た。
東京に戻ってくる3日は、一位の東洋大が圧倒的な強さだったので、
「もう、テレビの前に座らなくてもいいかな..」
と思ったけれど、やっぱり離れることは出来なかった。
次々と入ってくる中継点では、いろいろなドラマが生じる。
やっとタスキを渡す時が来た神奈川大の選手。
「あっ!」
次に走る選手が手を伸ばしている前で、倒れこんでしまった。
あと数秒で、繰り上げスタートになってしまう時間とぶつかっている。
「立ってー、立ってー、..立ちあがるのよっ」
私は自分が立って、叫んでいた。
選手はフラフラと起き上がった。
『もうタスキを渡したと勘違いしているのかなー、迷い道にはいってしまったのかなー』
悲鳴のような歓声が響く。
また倒れた。
繰り上げスタートの鉄砲が鳴ったと同時に、タスキが次の選手に渡された。
今年も
「よし、私もへこたれず、頑張ろう」
一歩も走っていないくせに、まるで自分が走ったような気持ちになって身を引き締めさせられる。
箱根駅伝って不思議だ。
時間が経つのは早い。
夜7時から生放送されるニャーイヤーオペラコンサートに向かった。
何て広いんだろう。
NHKホール。
大きすぎて、どうしても座席表を確認しても判らない。
席を見つけることが出来ないなんて、初めての経験。
右往左往。
たぶん15分間ぐらい、迷いながら探し続けたと思う。
案内係の人を捕まえるのも大変。
やっと、自分の番がきて、席に連れて行ってもらった。
席のことはともかくとして、舞台の感想は...。
一言。
「すごい!」
荘厳な舞台
生粋のオペラファンでない私でも、感嘆するばかり。
きっと舞台作りは、紅白歌合戦でもこうだったのだろう。
アナウンサーと夏木マリさんが喋っている間に、背景や、場面を変えて行く。
20人近くの人達の動き。
「早くしないと、次の唄が始まっちゃうよ〜」
ちょっとのんびりに見えたひとの動きに目が行く。
でも、よけいな心配。
見事に、数秒も狂わず変化させていった。
来年は、このブログを読んで下さっている方に、ぜひ、ぜひこのニューイヤーオペラコンサートに行かれることを
「お勧めしたいなあー」
何人もの素晴らしい方々の唄を、一度に聴ける事が出来るから。
場面を作って行くのを見るのも興味深かったから。
何もかもが美しく判り易かったから。
家族が大喜びしていたから。
そして私も、とっても得をした気持ちになれたから。
こんな素晴らしい舞台で、よく知っている人達が踊っている。
そう思うと、とても嬉しく、誇らしかった。
『飽きもせず 我はいまだに 迷い道』
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帰宅して留守録していたものを見たら、ついつい最後まで観てしまいました。
歌劇「カルメン」の曲から...の折り踊っていた舞踊団の人達の名前をぜひ書き留めておきたいです。
振付:佐藤浩希
踊り:矢野吉峰、
アルテ・イ・ソレラ「東陽子、小西みと、柴崎沙里、鈴木百々子、関祐三子」
以上の方々です。
指揮者の方も、以前、各国で活躍する三人の指揮者の方が紹介されたテレビ番組を観ていた方だったので、何となく嬉しかったー。