あれやこれや

2013年12月28日

お待ちどう様..。

                         「もなかのあれやこれや」
届いた届いた、昨日、お餅が二枚も。
柔らかいから切るのはまだ早い。
というわけで、一日置いて、
「フー」
やっと先ほど切り終えた。
手間暇かけているから絶品のうえ、更に近所のまん丸奥さんの愛情がこもっているから、美味しさは尚更。

「さっそく、一つ焼いて...」
お餅販売の会社には悪いけれど、これを食べたら、他のは食べられないよー。
(と、言いつつお正月以外は◎◎の切り餅をムシャムシャ食べているけれど..)

そして、31日になれば、だいたい紅白歌合戦の時間帯に
「お待ちどう様」
と毎年のごとく、おせち料理がどっさりと届く。

田舎育ちの奥さんは、普段から料理を作る時は、山ほど拵えるのが常。
「美味しい物は一人で食べるより分けて食べた方がいいんだよー」
と私がウン?歳の頃から毎日のように届けてくれる風景は変わらない。
だから意識的に品数は少なく作っておく。
食べる時間になると、増えるのが判っているからだ。

ということでお正月も同じ。
でも、ちょっと情けない自分もいる。
甘えてばかりの私。
今の私はすっかり、おせち料理が作れなくなってしまった。
作るのは、簡単なものばかり。

でも、今の世の中、デパートや総菜店におせち料理を予約する家庭もあるのだから、あまり自分を責めるのはよそう。

さてさて、暗くなってから出かけ、久しぶりに通ってきた町並みがある。
よく昔は頻繁に走った道。
信号待ちをしながら私はハンドルに胸を近づけて上をのぞきこむように外を見る。
『こんなに変わってしまうなんて..』
と思ったり、
『えっうそでしょ、まだ工事が続けられているなんて』
遙か前に、道幅の拡張だろうか、工事をやっていた記憶がある。
あのときの工事とは別のものかもしれないけれど、同じ場所で同じ光景を見て驚いたり。

変わってほしくない景色は猛スピードで変化していく。
早く終わらせてほしいものは、延々と続いている。
世の中は思うよにはいかないようだ。

そんな中、毎日のように響く、まん丸奥さんの声と風景。
これだけは、延々と続くのは大歓迎。
歳の順番なんて守る必要はない。
私がこの世にいなくなるまで、声を聴かせてほしい。
順番通りになったら、私はお正月、困るもの。



ayame1999 at 22:29|Permalink

2013年12月05日

追いかけて、追いかけられて..。第745

       「もなかのあれやこれや」
喜んでいいのかなあ、いつも追いかけられてばかりで...。
答えは
「ノー」
好意を持っている相手に追いかけられるのなら、それはそれは嬉しい事に違いない。
でもなー。

よく若い頃に、年上の人達から言われた言葉がある。
「私ぐらいになると、どんどん一年が短くなって、あっという間なのよ」
と。
その言葉がひしひしと判る。
一年365日が、年毎に360日、355日、350日間と縮まっていく。
今では、10ヶ月間ぐらいの感じだ。
キャー。
あとウン十年経ったら一年が半年ぐらいに思えてしまうよー。

というわけで、いつも追いかけられている相手は、人ではない。
時間だ。

でも、私の影、シャドーは云う。
「いいんだよ、追いかけてくれるのなら、人でなくたって...」
と。
自分の楽しみばかりをやって...と、胸が痛くなる時が何度あったことか。
でも、はたと気がつく。
誰しも面白可笑しくだけ生きてきた人なんていない。
口に出さないだけだ。
だから必要以上に胸を痛めることはよそう。

ここ数年の間も、自分の楽しみだけと思っていた事が、実はそうではなかった事に気付かされたことが何回もあった。
フラメンコにしても、楽器演奏にしてもだ。

そして最近、私は尊敬出来る人をまた一人増やす事が出来た。
その方は私を叱るように言う。
「一つの事をしっかりやり遂げようと努力出来る人は、何だって出来るようになる..だから頑張りなさいっ」
と。
どこかで聴いたことのある、凡庸な聞き飽きた言葉。
でも、今の私には、強く励ましてくれる言葉。
「セッセッセッ...」
指が痛くならないように、
「セッセッセッ..」
深夜になると抱きかかえるマンドリンやギター。
今までと何ら変わっていない風景だけど、ちょっと演奏の中身が違う。
二年間は必死になって挑戦しようと決めた事がある。

いつも時間に追いかけられてばかりだった。
それが、残された時間を惜しむように、時間を追いかけていく日々が続いている。
どんどん短くなっていく一年間。
叶うなら、一年を千日間にしてほしい。

ayame1999 at 23:48|Permalink

2013年11月19日

命を刻んで..。

           「もなかのあれやこれや」
テレビの前で、始まるのを私は待ちかまえていた。
NHK番組クローズアップ現代で、亡くなってしまった、大好きだった作家の一人、
「山崎豊子」を取り上げるのを知ったからだ。

一口に言えば、社会派の人。
権力、国家という大きなテーマを根底にした分厚い本が多い。
どの作品も長い年月を費やして書かれた作品ばかり。

徹底的な取材と、膨大な資料を調べ上げて書かれた作品は
「もう一度読み返そう...」
なんて、重みがありすぎて、とても言えない。
この気持を誰にぶつけたらいいのかと、嗚咽したことが何度あったことか。

私の友人の一人に、御父さんがシベリアに抑留されていたという人がいる。
また、戦争孤児という言葉は、知識としてだけの上っ面だけなら知っていた。
大企業の合併問題等等も。

でも、身近な人が関連していたからとか、知識として知ったなどと並べたものの、本当は知らないことばかり。
深く教えてくれたのは、作家「山崎豊子」のそれぞれの作品だ。

私は、食い入るようにテレビを見ていた。
少しでも大好きな作家の日常を知りたかった。
初めて公開されたという書斎と資料室が映し出された。
生の声が録音されたテープや、資料が入った段ボールは所狭しと置かれている。
秘書の方は言う。
「これを書かねばならない!」
という思いで、
「命を削るように..」
書いていた、と。(もしかしたら少し言葉は違っていたかもしれない...。)

つくづく思った。
人それぞれに役割があるのだな、と。
「これを書かなければ..」
と強い使命感があっても、誰もが書けるものではない。
才能がなければ叶わないのだから。
世に送り出したのは、全てで3600万部だとの事。

たくさんの人に様々な事を伝え残していった方。
こんな逝き方が出来るなんて、羨ましい。

逝ってしまった、と云えば、もうずいぶん前に飛行機事故で亡くなった
『向田邦子』
数冊昔に読んだ記憶があるけれど、今は、
「男どき、女どき」
を読み出した。
面白い。
社会派とは逆で、日常の中を切り取っている。
こちらは劇的な逝き方だ。

どちらも命を削るように、命に刻んで書いていたんだなー。

ayame1999 at 23:57|Permalink

2013年11月18日

クルクル..。

           「もなかのあれやこれや」
血圧が低すぎると検査に行くたびに言われていた。
でも、そんなの昔から。
かえって、高い人よりは心配ないと思いこんでいる。
軽い眩暈は、日常茶飯事。
数年に一度ぐらいは、耐えられない時があるけれど、それでもじっとしていればすぐ回復していた。

その数年に一度が爆発した。

天井がぐるぐる、グルグル、クルクル回って回って回る。
吐く。
一歩も歩けない。
洗面所に行くのに家族の手を借りる。
「やばい」
救急車を..と云うのを必死で止めた。

一日目は飲み物さえ受け付けなかった。
四日間寝続けた。

「良かったー」
元に戻った。

しかし自分でも呆れたのは、フラメンコレッスンで覚えたばかりのブレリアの歌詞を、目を閉じながら繰り返していた事。
そして、マンドリンを想定していたのかギターを思い出していたのかさっぱりわからないけれど、とにかく、右指を動かしていた事だ。

疲れが出たか..。
歳には逆らえないということか。
両方ともあたっている。
ふと数日間の事を振り返った。
一番は、病は気から、という事だから、精神的な事だろう。

さて、心配したけれど、土曜日はまた今年も依頼されていた100名近くの方々の前でマンドリン合奏を無事に終える事が出来た。
演奏と同様、進行役も心配したけれど何とかなったのではないかと思う。

そして、どうしても行きたかった舞台もあった。

家族に叱られてしまう。
『まったくしょうがない自分だ』
強硬に、踊るのは無理だけど、電車に乗ることは出来ると云い、出かけた。
でも、じっと生の演奏や素晴らしい声を聴けたおかげで逆に元気になれた。

もう大丈夫。
弱っていた頭と身体に活力を入れ込んだから、また
「ガンバルゾー」



ayame1999 at 13:39|Permalink

2013年11月10日

生きている背中...。

                  「もなかのあれやこれや」
先月、そして今日の土曜日も(注:書いたのは夜中。実際は日曜日になってしまったー.)音楽を聴きに行く機会に恵まれた。
千人以上収容のホールは、もっぱらクラシック専門。

400人程の今回のホールは、映画音楽やクラッシック等バラエティーに富んだプログラム。
グランドピアノの響きも素晴らしかった。
どちらも特色があって、楽しめた。

流れる旋律は、ざわついた日常から穏やかな世界に運んでくれ心地良い。
生の演奏は、家でCDを聴いていた時とはまた違った時間。

精神衛生上、非常にいいのだろう。
ここ数日間、何かのきっかけで、一瞬にして尖ってしまっていた気持。
そんな鋭い気持ちを滑らかに修正してくれた。

簡単にいえば、癒された。
さてこの癒。
穏やかにしてくれたのは、今回は音楽だけではなかった。

「何てすてきな背中なんだ!」
今までプロ、アマを問わずたくさんの指揮者の背中を見てきた。
流暢な動きや規則正しい指揮。
人それぞれ。
いくら指揮をみていたって演奏が一番だから、客席からは必要以上に注視したり感じたことはない。
でも、今回聴きに行った時の指揮者は..。
繰り返す。
『何て素敵な背中なんだ!』
動きはかえって静かと思えるほど。
後ろ姿のスタイルがいいとか..そういうことではない。
どう説明していいか判らない。

指揮者の背中を見ただけでどういう演奏をこれからしてくれるのか判ってしまうような...。

動いているのに死んでいる背中。
静かにたたずんでいるのに、生きている背中。

踊りもその人の内面が出る、とよく言われるけれど..。
激しいのに何も伝わってこない時もある。
動いてないのにびんびん伝わってくるフラメンコもある。

『う〜ん、』
私の背中は生きているだろうか...。
考えさせられてしまう。


ayame1999 at 00:59|Permalink

2013年10月31日

寒いけれど、気持ちは「ぽっ」..第740

せっかく覚えたカンテ、すっかり唄わなくなってしまいどんどん忘れていく。
そんな私を叱咤してくれるかのように、友人が
「練習をしよう」
と、付き合ってくれた。

そうなのだ!
あの雑踏の中で劇的に出会った人(9月25日のブログにて記)と今日は新宿まで出て行き、カラオケ店へ、ゴー。

マイクを使わないのはもちろんのこと、画面のボリュームも切り、
ひたすらパルマだけで、交代に唄った。
恥ずかしいくらい長い時間唄っていたことになる。
数ケ月に一度でいい。
こんな時間が定期的に持てたらどんなに楽しいだろう。

感謝、感謝。

さて、最近の私は別な事で時間に取られていた。
約、十年ほど前から胸に秘め、夢にみていた事がある。
それが叶ったのだ。
スペイン語で唄うこと、楽器を弾く事、朗読すること(注:マンドリン舞台で朗読させてもらったり、自分のブログを読んでいたくらい..。))
この三つを続けてきたからこそ、実現出来た事。

「何か..」
は具体的に書かないけれど、一つでも欠けると叶わなかった事だ。
ただ好きで続けてきた。
それが何一つ、無駄なものはなかったという事を思い知らされた。

まるで終着駅に着く為に、今まで新幹線に乗ったり、飛行機に乗ったり、路線バスに乗ったりして、やっと到着出来たと思える昨今の心境だ。

ところで、フラメンコは何の乗りものに例えられるだろう..。
即答。
乗り物は必要ない徒歩。
「自分の足」
だ。

レッスンの時間の日々が確かに歩んできた時間。
無性に喜びの時間。
もちろんステップを踏むから足ではない。
確かに自分で歩いた貴重な時間だからだ。

これからも足を止めることはしたくない。
踊りに限らず、今回のように一緒にカンテを唄おうと、復習の機会を作ってくれる人がいるのだもの。
益々時間に制約されるけれど、工夫しながら、歩いていこう。

いつのまにか、すっかり寒くなってしまった。
でも、私の気持ちは
「ぽっ」
あたたかい。


ayame1999 at 00:47|Permalink

2013年10月11日

灯りではなく、明かりの下で...。

              「もなかのあれやこれや」
「なんだか暗いナー」
リビングと、もう一つの別の部屋の照明。
電球を取り替えても暗い。
何年も何年も我慢していた。

しかし、やっと重い重〜い腰をあげ、数日前に家電量販店へ。
本日、取り付けに来てくれた。

「ワーイ、何て明るいんだろう..」
同じ部屋とは思えない。
「こんなに違うなら、もっと早く取り替えればよかったわ」
取り付けをしてくれている二人に話しかけた。
「いやいや、今だから良かったんですよ」

数年まえから話題になっているLED。
寿命年数が長い。
そのかわり、とても高額だったとのこと。
今は、とても値が下がったうえ、品質も良くなった。
だから、我慢して良かったのだと言われた。

もう一つの部屋も別の部屋みたいに感じる。
灯り一つでこんなに印象が変わってしまうなんて!

こういう気持は、昔、電球だったのが、初めて蛍光灯に変わったときの感動と、同じなんじゃないかな...と思った。

日本の夜の部屋は明るすぎる、と言われる。
「外国のホテルのように仄かな灯りがいい。柔らかな照明の方が落ち着ける..」
という人もいる。
でも、夜になってあれこれ行動する自分にはダメ。

二年前の地震直後に経験した停電。
あれを思い出すと、明るすぎるのは何となく気がひける。
でも、明るくなったうえ、電気消費量は少ないのを知った。
ほっ。   

先程テーブルで試してみた。
見違えた明るさの下、本を開いたり、書くことが苦にならない。
livingu
一番長い時間いる場所なのに、目が辛くてやりたい事が思うように出来なかったことがある。
たくさん、たくさん、この下でやりたいな。



ayame1999 at 23:57|Permalink

2013年10月07日

勝負師を前にして...。

           「もなかのあれやこれや」
土曜日に行くはずだった日本女子オープンゴルフ選手権。
雨の為、本日、日曜日に行ってきた。

さすが噂に聞いていた名門相模原ゴルフクラブ。
ひたすら真っ平らなコース。
しかし、吸い込まれそうなバンカーがグリーン周りを取り囲み、高低が激しいグリーン。
パットにも苦戦している選手がとても多く見受けられた。

多くのギャラリーが特定の選手達についていく。
私を含めた四人は、定位置にいることにした。
三番ホールのティーショットと八番ホールグリーンに近かい場所を見つけ、そこだけを左右に行ったりきたり。

足が辛い。
私だけではなかったようだ。

仲間の一人が売店で敷物のシートを買ってくるから、と言い、その場を離れた。
1時間経過。
まだ戻って来ない。
携帯とメールをしたけれど返信なし。
『何かあったのだろうか...』

ずいぶん時間が経過した。
先程は、何も持っていなかったはずなのに、リュックを背負って戻ってきた。
「みんな疲れるとおもったから、買ってきたよ、はい、◎◎ちゃんのもあるから」
青色した簡易椅子は三人。
私には赤い簡易椅子を渡してくれた。

家が近い人だったから、わざわざ戻り、車で買いに行ってくれたのだった。
入場券の半券を見せれば外に出てもオッケーとは判っていたけれど...。
「まさか、車で行くとは...」

世の中には本当に親切な人がいるものだ。
おかげで足の痛みもなくなり、楽になれた。

選手達は途中昼食をとらずに、最後のホールまでプレーする。
私達はそうはいかない。

売店でお弁当を求めた。
テント下に設置されていたテーブルは、満杯。
木陰に四つの小さな椅子を真四角に並べて、食事タイム。

近くに私達と同じように、座って食事をしている人達がいる。
曇り空から青空も見え出している。
のどかで、ピクニックに来たような気がしてきた。

さて、テレビではなく、戦う選手達の生の姿を目にした自分。
画面では感じなかったたくさんの事が伝わってきた。

人はよく、
「オーラがある人だね...」
と表現する。

そのオーラの中身は何だろう。
今回感じたオーラとは?
威厳。
気迫。
太い太い身体の柱。
ぴりぴり感。
勝負する人に特有な何かが身体を包んでいる。

スコアがとても不本意だった宮里藍ちゃん。
それでも、彼女はたくさんのギャラリーを惹きつけていた。
パットを外した時のどよめきが、今も蘇ってくる。

100回続けて予選通過を果たした横峰さくらちゃんも同じ。
大勢の老若男女の人達が一緒に移動していた。

人気があるからと言うけれど、実力が伴なっていなければ人気は出ない。

何も脈絡なんかないけれど、大好きなフラメンコと音楽を、とにかく一生懸命やりたいと思った。
ナヨナヨしている自分に、渇を入れた。

「こんなゴルフ場には行けないけれど、また来週、三人で久しぶりに行くんだよ、◎◎ちゃんもプレーしたくなったんじゃないの?」
私は首を振った。

久しぶりに、まばゆい景色を見れただけでいいのだ。

ayame1999 at 01:53|Permalink

2013年09月30日

女性ばかり...。

                「もなかのあれやこれや」
つくづく思う。
何処に行っても女性が多い。
演劇にしてもコンサートにしても、圧倒的に女性の姿が目につく。

男の人は家族の為に必死に働いていて、女は気楽なものさ、と云う声が聞こえてきそう。
でも、女の人だって仕事を持っている人が大勢いる。

人によって数年に一度の舞台。
或いは何年も映画館になんて行けていない。
近くでライブがあって初めて生を味わった。
等々、様々に違いない。

でも、一年に一度だろうが、数年振りだろうが、とにかく足を運ぶのは圧倒的に女性が多い。
何処に行っても感じている自分だ。

昨日の日曜日、近所の公民館で、ジャズのライブがあった。
一年に一度、市の催しでプロのアーティストを招いてくれる。
昼と夕方とで二回だけど、毎年、すぐにチケットが完売してしまい、なかなか行けなかった。
今年は早いうちにゲット。

おかげで艶やかなトランペットの音にうっとり。
洒落たベースの指の動きと、軽快なピアノのリズムにしびれた。
もちろん唄にも。

「イエー」
奇声が私の後ろの席から聞こえてくる。
失礼。
のりのりの声が聞こえてきた。
そして、たくさんの観客達が、小刻みに身体でリズムを取りながら手拍子も打つ。

「あれ!」
そうだった。
ジャズの乗りは、裏打ちだ。
「あ〜ん...」
もっともっと早いうちに、ジャズが好きになっていたら、きっとパルマのコントラ打ちが上手になっていただろうに...。
呆れる。
ジャズを楽しんでいる最中でも、フラメンコと繋げてしまうなんて...。

さてさて、終わって階段を降りていく途中、近所だから知った顔があちらこちらに見受けられた。
会話も、聞こえてくる。
すっかり小さくなってしまったパン屋さんの奥さんが酒屋さんの奥さんに笑顔を向けていた。
「よかったー、ジャズ大好きだったのよー」
杖をついて腰も曲がってしまったけれど、元気そう。

「こんな近いところで聴けてよかったわねー」
古本屋さんの奥さんも加わっていた。
私はその横を黙って通り抜けた。

自分にとってのジャズは近い存在ではない。
でも、今回来ていたほとんとの人達は、結構自分よりずっと年が上だった。
シャンソンや、ジャズが身近だった若い時代だったに違いない。

それにしても、男の人はどうしたのだろう。
女性ばかりが楽しんだ年代ではないだろうに。
ここでも九割がた女の人ばかりだった。

『う〜ん、女性の方が、好奇心いっぱいということなのかなー』


ayame1999 at 23:39|Permalink

2013年09月25日

磁石の力..第735。

「元気でいるかなー」
最近会いたいと思ってもなかなか会えない友がいた。
「電話しようかなー」
時計を見ては、
「よそう。もう遅い時間だから..」
別の日は、食事の支度で忙しい時間帯だし...と手にした電話を置いてしまったり。
そして、いよいよ電話を手にすると、
「あっ!今は仕事中の時間だな...」
また、携帯を閉じたりと。

機会を逃してばかり。
でも、会いたいな、という思いはとても強かった。

日曜日の事だ。
私はマンドリンを片方の肩にかけ、新宿駅から丸ノ内線に乗り換える為に私鉄の西口改札を出ようとした。
まさに改札一歩手前。

「いや、待てよ...」
早く来てしまった。
時間をつぶすために、別の改札口から出よう。

わざわざUターンして地下に降りて行った。
人とぶつからないのが不思議なくらいの長い通路を歩いていく。
そんな中、数人が立ち止まっているのが私の視界に入った。
そのまま通過。

でも、どんどん前を歩いているけれど、背中を見せていた女性の髪形が気になった。
「◎◎さんもあんな髪をしていたなー」
会いたい会いたいと思っていた人の顔がまた浮かんだ。

こんな所にいるはずなんてない。
「そうだ、時間をつぶそうと思っていたんだから、寄り道をするつもりで...」
またもや私は、Uターンした。

私は後ろ姿を見せている人の顔を、覗き込んだ。
そばにいた他の数人が訝しげに私をみた。
「ウワー!」
声を出したと同時に、顔をくしゃくしゃにして、彼女は私の手に掌を重ね飛び跳ねた。
もちろん私も。
「ウワー、嬉しいよー」
効けば、仲間数人と新宿に来たけれど、一人が電車の中に荷物を忘れてしまった。
駅事務所に行ったので、その間、その場所を離れず待っているところだとのこと。

「世間は広いようで狭いなー」
その言葉をよく口にする事がある。
でも、今回は、偶然とは言いたくなかった。

思っていたからこそ、強い磁石で吸い寄せられたんだ!
強力な磁石に。

事務所に行った、という人がなかなか戻ってこない。
これ幸いと、私達は互いに言葉を発し続けた。

別れ際、フラメンコは頑張っているの?...と問われた。
私は、来月の20日のライブの事を話した。
彼女は手帳を出した。
「行くよ行くよ、絶対に行くよ」
泣きたくなるほど嬉しい言葉。

思いが強いときっと磁石が、働いてくれるんだ。
そう思った。
『ということは、他のことも同じだなー』

いっぱいいっぱいフラメンコが楽しく踊れますように。
いっぱいいっぱい大好きなマンドリンやギターが上手になりますように。
いっぱいいっぱい..。

ああ、自分の事ばかりだ。

でも、いいのだ。
家事がスムーズにとか、お掃除がゆき届くように..なんて思ったら大変。
磁石の力で、家事がいっぱい吸い寄せられたら困るもの。



ayame1999 at 00:20|Permalink

2013年09月14日

その人の笑顔で..。

               「もなかのあれやこれや」
今日、金曜日私はいつもの検査。
所謂、車の車検のようなもの。
といっても、数年に一度の車検と違い、約一か月に一度。
頻繁に診てもらって
「ありがとう」
という感じだ。

「ごめんなさいね、ずいぶん待たしてしまって」
「そんな...、とんでもない」
あわてて首を振り、頭を下げる。
ほとんどマスクで占められている医師の顔。
でも、優しい目はしっかり見える。
検査結果の数字は例えよくなっていなくたって、その頬笑みは薬以上の効き目がある。

病院の規模によって状況は違うのだろうけれど、私が毎月目の当たりにする此処の光景は、それぞれの科の前や、会計受付の前が、人であふれている。

大変だなー。
お昼を過ぎているのに、まだ人が減っていないなんて。
入院患者の病室も回り、手術だってしなければならないだろうし...。
医師だって、いろいろな人がいるという事ぐらいは判っている。
でも、少なくても私が知っている医師や、看護師さんには待遇をたくさん良くしてほしいものだ。

さて、帰りの車の中で私はテレビを付けた。
危ないから画面は出さず、音声だけ流しておく。

この数日間だけですっかり覚えてしまったさわやかな女性の声が流れていた。
「あっ!わかった、」
オリンピックのプレゼンテーションでスピーチした、パラリンピック出場した女性の顔が浮かんだ。

信号が黄色になりかかった時点で早めに私はブレーキを踏んだ。
スイッチを押し、画面に切り替える。
佐藤真海さんに間違いなかった。

再び画面を消し走り出す。
明るい声。
しっかりした話し方。
パラリンピックに出場する選手達の様子を語っていた。

例えば、義足の人は、普段歩くのは補助を受けられるけれど、スポーツの為の義足は自費で...などなど。
スポーツする為の車椅子も。
予想はついていた事とはいえ、もう少し優遇してあげてもいいのではないか、と感想がいっぱい。

それにしても
「人って、すごいなー」

一人の人間の出現でがらりと物の捉え方が変わる事がある。
その人の発信で、今まで微動だに動かなかった空気が、突然風通しが良くなる場合も。

「佐藤真海さんは、そういう役目の人だったんだなー」
同じ条件の人であっても、全ての人が発信出来る機会に恵まれているわけではないのだもの。
毎回訪れるたびに私の気持ちを穏やかにしてくれる医師もそういう役目の人なんだろう。

いいね。
私も明るくいこうー。

取りあえず、私の役目は..。
「スタイルなんて関係ないよ。ずんぐりむっくりだっていいもんだね。」
そう言われるように、美味しいものをたくさん食べ、健康でいよう。


ayame1999 at 00:53|Permalink

2013年09月11日

おにぎり持っていこう...。

                「もなかのあれやこれや」
「チケットが四枚綴りだから、ちょうど◎◎ちゃんが行ってくれると助かるんだ。だから一緒に行ってくれないかなー」
すっかりやらなくなってしまったゴルフ仲間から連絡が入った。

近所のゴルフ場で10月の最初に女子プロのトーナメントがあるとのこと。

行きたくても名門すぎて一度も行ったこともない、いや、行く事が出来ない憧れのゴルフ場。
仲間の三人も私と同じ。
だから、よけいに行きたかったのかも。
そして、男子選手とは違い力強さはないけれど、華麗さがある女子プロ選手達のプレーだから、間近で観たいと思ったに違いない。

話をきいた私は...と云えば。
あまり乗る気はなかった。

選手についてゾロゾロと歩いていくギャラリーの姿が好きではないのだ。
個人プレーの試合。
何より、高額な賞金をかけて戦うことに、あまり応援の気持ちが起こらない。
チームプレーだったら思いは違うかも。

でも、ゴルフ選手達の実態は常時上位で勝ち、加えてスポンサーがついて裕福なのはわずかな人数。
ほとんどの選手は試合に出るのも自費で大変な事を知っている。

受話器からの元気な声を聞くと、だんだん私も引き入れられていった。
「じゃー、私も行こうかなー、近いしね」
自分にとっては雲の上のゴルフ場。
その場所にお散歩に行くつもりで、出かけるのも悪くない。

リュックを背負って、おにぎり入れて行こうかなー。
遠足に行くように。
楽しそうだ。

「わかった、じゃー、私も行くからね」
人数合わせの為に、という説明がひっかかったけれど、私はオッケーの返事を返す。

私はさっそく、まったくゴルフとは無縁の家族に、トーナメントの話をする。
広々とした場所にお散歩に行くつもりもいいのでは...普段は入れない場所だし...と。
ムクムク。
興味津々の顔。

でも、残念でした〜。
チケットは四枚つづりだから、四日間続けて行かなければならない。
或いは、同じ日に四人で分けられる人がいればいいけれど...。

何だか楽しみになってきたー。
選手の皆さんには、ごめんなさい。
応援に行く、ではなく、遠足に行こうなんて声を大にしまって..。



ayame1999 at 14:52|Permalink

2013年09月09日

2020年ってどんな世の中になっているのかなー。

             「もなかのあれやこれや」
日本が7年後のオリンピック開催国に決まった。
よかった、よかった。

つい数日前までは、全く関心がなかった自分。
それが、決まったのを知ると、やっぱり嬉しい。

テレビをつければ、どの局も、経済効果の数字を大々的に報じ続けている。
それも確かに大事な事かもしれないけれど...。

私は遠い遠い記憶を引き寄せる。
小学生だった時のオリンピック。
女子バレーボールの大松監督の名前をしっかり覚えている。
その後、「おれについてこい」という本を読んだので強烈に残っている。(成せばなる、だったかも..)
マラソンのアベベの名も。

あれから、3分の1の人口は確実に入れ換わっている。
もっとかな..。
電車の中で時々思ってしまうこと。
「あと50年経ったら、この乗客の半分はいなくなるのだなー...」
と。
それほどの大きな年月。
故に、つい、そんなこと考えてしまうのだ。

膨大なお金を使うのなら、もっと別な事で使わなければならない事があるだろうに..といろいろな気持ちもある。
でも、それはそれ。
飛びあがらんばかりに喜んでいる人達の姿は、関心なかった私までも喜びに引き入れてくれた。

放射能漏れに対しては、世界に向け、はっきりと首相が心配ないと断言。
『本当に大丈夫なのかなー』
ちょっと疑いの眼の私。
でも、発想をかえれば、ああいう場所ではっきり発信出来たことは、かえって良かったんだ、と思えた。

さてさて、今まで外国であったオリンピックを観るたびに、あと何回観れるのかなー、という思いで観てきた自分。
今度は、
「日本でのオリンピック、この目で観れるといいなー」
と強く思った。
何があるか判らない世の中。
そう本気で思っている。

最後にもう一つ。
個人的にはレスリングの人には悪いけれど、ソフトボールに種目決まってほしかったなー。
う〜ん。
スカッシュの人もいることだし、一人一人の希望を述べたらきりがないけれど。

まずは、さておき、
「2020年、東京でのオリンピック開催決定、おめでとう」


ayame1999 at 18:38|Permalink

2013年09月01日

何もかもが入っていて....。

          「もなかのあれやこれや」
やっておきたいことがあったけれど、果たすことは出来ず、悔いが残った8月となってしまった。
まあ、しかたない。

さて、私が前、前回のブログに、
「昔読んだ漫画だったか小説だったか、化学戦争で毒ガス用のマスクを付け、地下に避難する人々の場面があった。けして空想の世界ではない。そういう日も近い世の中になってきているのかもしれない。」
と書いた。

そしたらシリアで...。

数日前、我が家の上空は、轟音が響いた。
近所に基地があるし、アメリカ軍の飛行場もわりと近い。
普段も、訓練の時はひっきりなしに轟音。
特に今。
「もしや!」
時期が時期だけに、もう作戦に乗り出しているのか..と私の身体は音に反応し、硬直してしまった。

テレビのニュースの中で映っていたシリアからトルコに逃れてきた家族。
遠い国での戦争や内戦はずっと昔からもいろいろな国で起きている。
でも、昔と違って、今はリアルタイムで現状が映し出される。
伝わってくるものが違う。
人ごとでは済まされない。
遠くて近い戦争だ。

いつまでも、何も心配せずに大好きなフラメンコに没頭し、思い切り大好きなマンドリンやギターを抱きかかえていられる世の中でいてほしい。

さて、世の中、といえば..。
これまた判っていたけれど、改めて気付かされたことがある。

ギターやマンドリンの練習をしている時、メトロノームを別の部屋に取りに行くのが面倒でタブレットでアブリを調べた。
あった、あった!
無料でものすごく使いやすい。

次に、弦の音も狂ってきた気がした。
でも、チューナーも取りに行くのが面倒。
あった、あった!
チューナーのアプリが。
いつも使っているものと、ひけをとらない。

いやはや。
気がつかないうちに大変な世の中になっていた事に気付かされる。

メトロノームを作っていた会社は?
チューナーを作っていた会社は?
ビデオを作っていた会社は...。
録音機器を生産していた会社は...。
ICレコーダーだってどんどん生産が中止されていっている。
カメラは?
逆に高級なものを売り出して必死になっているけれど..。
そうそう、ラジオも時々聴いている。

スマホの中には、何でも入っている。
でも、スマホの為に、衰退してしまう企業が何と多いことか。
最近は、スマホで、外出先から家の中の冷房や洗濯機を作動させられる家電も出来たとのこと。

私にはまったく必要ないことばかりの物を作っているとしか思えないのだけど..。
でも、きっと求める時が来るのだろう。
文句を言いながら便利なアブリを使っている矛盾な自分なのだから。。

テレビのニュースで映っていた、シリアからトルコにむけて脱出してくる人々。
その人々が一番必要なものは...。
訊くには及ぶまい。

何でも入っているスマホ。
どうか、どうか、平和になれるアプリを入れ込んでほしいものだ。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
さて、長い間、このブログを書き続けてまいりましたが、今年いっぱいで、終える事に致しました。


何で書いているのかと自分に問う事が何度かありましたが、答えはいつも自分の為に..でした。

でも、最近、特に、
「本当に自分の為ならば、公開することはないのではないか...」
という気がしてきました。
皆様に公開しなくても、ブログは私独りが見れればいいのではないか...と。

自分にとっては気の遠くなるような長い年数。
このブログのおかげで自分を見つめ直せた日々でした。
これからも、皆様には閲覧出来なくなりますが、自分の歩んできた証しとして書き続けてまいります。

残された今年いっぱい、相変わらず、くだらない事ばかり書き連ねると思いますが、よろしくお願い致します。

そして、私のつたない文章に長い間お付き合い下さいましたこと。
ここに深く深くお礼申し上げます。



ayame1999 at 22:57|Permalink

2013年08月19日

次は何の注意報..。

       「もなかのあれやこれや」
この暑さでバテたのか。
それとも目が回る程の忙しさでクラクラしているのか..。
「フー」
「ハー」

公民館のひばり放送からは、
「光化学注意報が出ました。激しい運動を控えて下さい」
と流れてくる。
テレビをつければ
高温注意報だの、冷房を付けるように..などと注意喚起が流れたり。

加えて、豪雨と雷注意報も頻繁に流れるようになった。
そういえば、竜巻注意報もあったなー。

ひゃー、注意ばかり!

昔読んだ漫画だったか小説だったか、化学戦争で毒ガス用のマスクを付け、地下に避難する人々の場面があった。
けして空想の世界ではない。
そういう日も近い世の中になってきているのかもしれない。

やめよう。
恐ろしい事を想像するのは。

さてさて、こちらは暑さとの戦いのほかに、あと一週間戦わなくてはいけない日々が残っている。
朝目を覚ました途端に、嵐の渦の中の真っただ中。
仕方ない。

たまには、我慢しなければ...。
数回前のブログに書いた、注文を受ける度に
「よろこんで!」
の言葉を発した居酒屋チェーンと同じ。
私も、
「喜んで!」
にっこり笑って叫ぼう。

あまりにもブログ更新の間隔が開いてしまったので、急いで今打ち込んだ次第。

連日厭だと言っても容赦してくれない猛暑。
「いいかげんにせんかい!」
私の頭からゆげが出ている。
でも、もう8月の後半。
まあ、猛暑のパワーもあともう少しで終わりなのだから、そんなに目の敵にするのはよそう。

頭ゆげ注意報が出たら困るもの。



ayame1999 at 15:04|Permalink