心の寄り道
2011年09月18日
あ〜驚いた..。
17日土曜日、歌手、キムヨンジャさんのリサイタルに行ってきた。
20数年前に来日してから、割とお気に入りだったけれど、生の舞台で聴くのは初めて。
フラメンコを習う前は私は結構、仕事の合間にいろいろな歌手の方の舞台に足を運んでいたと思う。
演歌もあり、ムード歌謡も有り。
唄が好きだったのだ。
でも、長い間、流行歌手の方の舞台には足を運んでいなかった。
今回フラメンコ教室の方々なども出演するというので、私にはいい機会だった。
驚いた。
会場の外まであふれんばかりの人、人、人。
入場すると、二千人以上入る席がみるみるうちに埋まっていく。
チケット完売してしまったことに、頷ける。
驚いた。
『ものすごい歌唱力、そして名曲数々』
驚いた。
『あの体力が私もほしいよー。二時間半ほどか、ほとんど一人で歌い続けていたなんて』
驚いた。
『思いがけず、普段聴けない韓国の楽器や、美しい美女集団の太鼓も聴けて...』
驚いた。
『フラメンコの踊りを、曲に合わせて情熱的に踊る姿。素敵だったよー』
他の曲も含め、三回も舞台に出て踊ってくれた。
嬉しかったよー。
そして、つくづく思ったことがある。
なんて、男のお客様が多いのだろう。
舞台を観にいくと、いつだって、ほんの少ししか男性はいないのに...。
ジャンルを超えた様々な唄、スケールの大きな歌声を聴けて大満足。
唄は、本当に時代を蘇らせてくれる。
さて、ジャンルを超えてといえば、もう一つ私は楽しみにしている舞台がある。
今年はぜひ聴きたいと熱望していた津軽三味線の上妻宏光さんと、フラメンコギターの沖仁さん、お二人の演奏。
今年は無理だな、と諦めていたら、恵比寿ガーデンで、二人で演奏することを知った。(11/3楔)
「ワーイ、一度に二人聴けてしまうよー」
誰の本だったか、白刃(ハクジン)をひらめかせて自ら先頭に立って切り開いていく...という文章を覚えている。
何事も恐れず..という意味もあるに違いない。
いろいろな分野で同じように感じる方々がいる。
お二人にも、私はその言葉が重なっていた。
だから、今年はぜひに...、と思っていた。
というわけで、11月のエビスガーデンも楽しみにしているしだいだ。
2011年09月05日
百聞は一見に如かず
4日の日曜日。
世田谷パブリックシアターで公演「愛こそすべて」を堪能。
じっくりと、スペイン歌謡であるカンシオン、そして、フラメンコの踊りを味わってきた。
ギターとパーカッション。
或時は、暗く深い地下に、或時は、明るい空の下に私を運んでいく。
ギターのトレモロは、せつなくなった私の気持に、更に追い打ちをかけてきた。
今まで一度も観たことがない舞台。
観れてよかった。
聴けてよかった。
「グラシアス、グラシアス」
叫びたいのに、勇気がなくて声が出なかった。
タイトルは「愛こそすべて」
私には、すべてが愛だった。
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9月6日.AM0:42 追記:
「あのね、唄の三人の声がたまらなくてね.......」
フェルナンド・ソトと、ホセ・ガルベス、そしてアナ・デ・ロス・レジェス三人の名前が、スラスラと出てこないのがまどろっこしかった。
「それからね、踊りがね...」
「.....ギターとパーカッションがね...」
家族と行く予定だったけれど、急遽都合悪くなり、友人を誘って行ってきた私。
帰宅すると様子をまくしたてた。
「百聞は一見に如かず」
本当は、百回の舞台の様子の説明よりも、一度観れば、すぐに私の云いたい事が判ってくれたのだけどに...。
2011年08月25日
芝居『automata(オートマタ)』
この場所に来たのは数年前にもあり、二回目。
100人も入らない小さなスペース。
テレビや映画で華麗な画面を見慣れている私には、手が届くほどの近さで観る芝居は、正直なところ、エネルギーがいる。
役者さんの息遣いに耳を傾け、台詞とは別の、心の中の動きまで聞こえてきそうな気がし、役者さんの身体の奥まで、深く深く入り込もうとしてしまう自分がいるからだ。
(左記の無季俳句:記事投稿、数日後に掲載がほとんど)
今回のお芝居もそうだった。
「何でもいうことをきいてくれるロボットがほしいよ〜」
そう願ってしまったのは、この芝居automata(オートマタ)を観た後のことだった。
この人形は、実際は腹話術によって会話をする人形として登場。
しかし、私の目には、その人の心の中を代わりに吐露してくれるロボットにも見えた。そばに いる人の歴史をじっと、見つめている存在のよ うにも...。
この人形、とても役者さんが役を演じているとは思えなかった。
まずは、この演技に驚かされる。
そして重要なキーポイントの人物はもちろんいるけれど、一人が主人公ではなく、登場人物全ての人が主人公に思えた。
これはまかり間違えば、話は散漫になる危険性がある。
でも、そんな心配、まったく無用だった。
考えてみれば、日常の生活だって、生きている本人それぞれが主役なのだから、当然といえば当然かもしれない。
役者さんのプロフィールを見ると、無名塾出身だったり、俳優座や演劇集団円に所属していたり...、他の方も錚々たる演技をする方達。
なかなかのものだ。(こんな表現は失礼かもしれない...お許しを)
しかし、
「だから...」
ということだけの理由で、見応えがあったのではない。
フラメンコの場合ならカンテ、ギター、踊り、と三位一体という表現をすることがある。
芝居の時は何というのだろう。
11日間に及んだツツガムシの公演。
縁があり数年見る機会があった。
どれが一番..なんて比べるものではないけれど...、
『automata(オートマタ)』
正直な気持ち、これまでの中で自分の一番のお気に入りとなった。
最高。
まったく未知の世界だったチェス。
勝負をする時の場面は、ただ知識もなく単に手を動かしているのではないことが判る。
小説と同じだ。
お芝居はいろいろなことを教えてくれる。
観終えたあと、
「イヤー、すっごく面白かったー、面白かったーオモシロカッター」
何回も、口から出ていた。
今回の脚本。
朗読劇の時と同じように、もしかしたら...。
何処かに羽根をつけて飛び出していく気がしている私だ。
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脚 本 林竜之介
演 出 田中壮太郎
(出演)
高川裕也 宴堂裕子 蓉崇 小飯塚貴世江 小高仁
松下恵 野々山貴之 乙倉遥 田中壮太郎 本多新也
2011年05月22日
テノールリサイタル
「もなかの心の寄り道」
グランドピアノが舞台にたたずんでいた。
燕尾服のテノール歌手の方が、舞台に現れる。
私は心を込めて拍手を送る。
二月のマンドリン演奏会の時、「白い馬」という曲で、厳しくも温かく指導して下さった方の
「テノールリサイタル」
場所は横浜の、かなっくホール。
東神奈川の改札を抜けると、もうそこはホール。
こんなに便利な場所にあるなんて....。
『ここでフラメンコが観れるといいなあ』
すぐに頭をもたげでしまう。
「ねえ、ここでフラメンコギターの演奏会があるわよ」
マンドリン仲間が棚にあったチラシを私に渡してくれる。
沖仁さんの案内だった。
「私、行きたいわあ」
そう云って、ギターを弾く別の彼女がのぞきこんだ。
まったくフラメンコギターなんて興味なかった仲間から云われたことが、ちょっと嬉しかった。
フラメンコの裾野が広がった気がしたのだ。
私もぜひ一緒に、久しぶりに生で聴きたいと思った。
さて、テノールリサイタル。
パルマもハレオもない、し〜んとした緊張の中、聴く側の私は場違いな気がして緊張してしまう。
マイクはない。
声の管理、毎日の喉の鍛え、湿気、乾燥等。
どれほどの神経を必要とするのだろう.。
若い頃だったら声の張りがあるのは当然のことだけど、永きに渡って継続するには鍛錬が必要。
おおざっぱな性格の私には、とても無理なことだ。
鍛えられた素晴らしい声で、何曲ものオペラの曲を堪能させてもらう。
シンプルな舞台で、じっと耳を傾けることも、なかなかいいものだった。
本当は、私の予定では前日にも、楽しみにしていた舞台があったはずだったのだけども...。
勘違いして逃してしまい、自分に腹を立てた。
でも、お陰様で、とても穏やかな気持になっている。
帰宅してまた、月曜の午前中までに仕上げなくてはならない書類作成。
身体を動かすことは大好きだけど、デスクワークは、本当に嫌いな私。
「苦しいィィィィィ」
2011年04月22日
心躍れば...。
日付が前後してしまったけれど、9日の土曜日。
シャンソンを聴きに行って来た。
長い間、唄を続けている知人は、毎月定期的に、お店で唄い続けている。
でも、毎月届くライブの案内は、私が行く事が出来ない曜日ばかり。
今回はお店ではなく、千人近く入るホールとのこと。
「行きたいよ〜」
やっと実現した。
ホールは満杯。
司会者の方が、今回の震災で開催にあたって迷いましたが...、と語ったあと、舞台はきらびやかな世界に変わった。
次から次へと登場する出演者の方々。
私は、うっとり。
夢のような世界を堪能する事が出来た。
そして、ほぼ一週間後にもう一カ所行ったのが、ティアラこうとう 大ホール。
オペラの、「道化師」と「カゥ゛ァレリア.ルスティカーナ」の二演目。
私には、オーケストラボックスでの演奏も、魅力だった。
二カ所とも4月2日のフラメンコ発表会は終えたあとだから...と、楽しみにしていたもの。
しかし、5月2日に延期となったために、時間的に忙しい中での舞台鑑賞となってしまった。
でも、特に今回は足を運んで良かったと思っている。
震災で心が痛む事ばかりが続いていた日々。
そんなとき、心が躍る時間を持てたのだから。
他のお客様の、たくさんの笑顔にも出会えた。
さて、フラメンコ発表会の練習は
「これでもか、これでもか...」
というぐらいに皆で頑張っている。
「一か月延期となったのだから、とても楽チンダ〜」
と思っていた。
とんでもない!
通常クラスとは別に、驚くような長時間のレッスンと、驚くような情熱の指導が続く。
「無理はしないで残れる人だけでいい..」
と云ってくれる言葉を受け入れることなんて出来ない。
アァァァ上がらない...。
ウゥゥ腕が....。
なあ〜んて、へたばってなんかいられるものか!
こんな贅沢な時間を逃すことなんか出来るものか!
ということで今日もミセス仲間と、おにぎりを数分で口の中に放り込んだあと、作品に磨きをかけてもらったのだった。
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私は、シャンソンとオペラの舞台から元気をもらって帰ってきました。
今度は観に来てくれた方が、「心が躍って」くれたらいいなあ、と思いました。
「鍵田真由美.佐藤浩希フラメンコスタジオ発表会」
5月2日(月曜日)
中野ZERO大ホール
開場 17:30 開演 18:00
2010年10月31日
能楽堂..初体験
台風のせいだけど、よく雨が降るものだ。
私の身体はすっかり冷え込んでしまっている。
さて、ここ一週間も、とても有意義に過ごすことができたと思っている。
27日の水曜日。
恥ずかしながら初体験で、千駄ヶ谷にある国立能楽堂に行ってきた。
オペラと狂言師の人とのコラボ。
タイトル「マクベス」
日本の物語に置き換えての舞台。
芸術祭参加公演だった。
ちょっとお堅い舞台を想像していた自分。
意外や意外。
解りやすい舞台につくられていた。
コラボの場合は、危険と隣り合わせだけど、私の感想は、思っていた以上に楽しめた。
何といっても、狂言師さんの声の出し方。
オペラを朗々と歌う人の声の出し方。
全く異な声のものだけど、何かが共通しているのを感じてしまう。
休憩時間になると、私は、会場をウロウロ。
たくさん並べられているチラシを手に取る。
様々な伝統芸の舞台案内のものだった。
私は、ふと思う。
自分も大昔、邦楽の世界にどっぷりつかっていたことがある。
今思えば、もったいなさすぎる経験、国立劇場にて、合奏だけど箏曲の演奏させてもらえたこと。
『もう一度、私は邦楽の世界に戻れるかなあ..』
チラシを手に、ちょっと考える。
でも、首を振った。
自分には相性が合わなかったのだ。
ずいぶん後になってからだけど、スペインのヒターノ達が受け継いできたフラメンコを夢中で習うようになった。
今もレッスンが楽しくて、続けている自分。
さてさて、舞台が終わった。
拍手が鳴り響く。
後ろの席から、はっきりとした男性の声。
「本当の能楽堂での舞台は、拍手はしてはいけないんですよ」
連れの女性に教えているようだった。
私は歌舞伎だって、昔に、ほんの数回しか観たことがない。
浄瑠璃なんて、テレビの教育番組で、チャンネルを変える時に偶然目にしたぐらい。
文楽も同じ。
狂言だって知らない。
だから、ルールを知らない。
観方のマナーが解らない。
コラボだからいつもの舞台と違う。
最後には、出演者や演出家の方の紹介もあり、当然拍手が響く。
でも、普段と違うと解っていても、、舞台が終わった瞬間の拍手は、マナーを知っている人には、嫌だったのかもしれないな、と思った。
そして、もう一人の自分がつぶやく。
敷居が高くて、日本人なのに、一度も日本の伝統芸能を、生の舞台では観る機会がなく、一生を終える人がほとんどになってしまう現実があると、私には思える。
幸いなことに、伝統芸を守る人が、他のジャンルの方と一緒に活動して、ファンを増やし、今度は逆に本来の伝統芸の舞台にお客様が興味を持つ、という場合が多々ある。
例えば、歌舞伎役者さん、
雅楽の東儀秀樹さん、
狂言の野村萬斎さんなどなど...。
私も、今回の舞台を観れたおかげて、狂言に少し興味を抱くことが出来た一人だと思ったしだいだ。
2010年10月25日
近所の情熱のフラメンコ!
「もなかのフラメンコ&心の寄り道」 録音済み
土曜日、我が家の最寄りの駅にあるホールにて、フラメンコの舞台を観てきた。
当日券だった私。
でも、六列目のちょっと右側の席が取れ、ほっとする。
私が来ていることは知らないはず。
早めに行った私は会場にいるはずの二人に、来ていることをメールで知らせる。
一人は、近くに住む、フラメンコの仲間。
そして、もう一人はマンドリン仲間。
「何処に座っているのかなあ」
私は注意深く会場を見回す。
空席が目だつ。
「フラメンコって、あまりみんな、興味ないのかなあ...」
明らかに、フラメンコとは無縁の人が多いように感じた。
どうして解るのかと、問われると困るけれど、フラメンコ関係者だと、何となく雰囲気で解る。
幕があがった。
カンテは一人、女性。
男女二人のバイレ。
やはり男女二人のギター。
チラシにはアリシア&ネストルフラメンコ舞踊団と書かれていた。
シンプルしすぎるぐらいの舞台。
背を丸めて寝ている人の姿が目に入る。
私の前の席の男性は、隣の人の肩に頭を乗せるぐらい。
途中、私は、列の左右に首を回した。
目をつぶって、明らかに寝ている人が、あちこちに...。
私はいたたまれなくなる。
正直なところ、私も当日まで迷っていた理由は、名前も知らないスペインの人だったからだ。
先入観があった。
「地味な感じだな」
幕があいたとき、生意気なことを思った自分。
しかし、しだいに私の目と耳は、引き寄せられていった。
女性が頭に付けたマイクで、踊り手に呼応するように唄う姿。
ギターを弾いている、愛くるしい笑顔の女性の指の動き。
もちろん、踊りだって...。
一部が終わった。
休憩を挟んで、二部のベルが鳴り響く。
「あれ...」
いつのまにこんなにいっぱいになっていたんだろう。
一部が始まる前、空席が目だっていたのに、後ろの方も、結構埋まっていた。
二部になると、ビゼー作曲のカルメンよりハバネラの踊りが始まる。
まばゆいばかりの、赤と黒の衣装。
後ろの席の二人連れが、
「かっこいいわねー」
と囁きあっているのが聞こえて来た。
「そんなにまで、ろこつにしなくたって」
と言いたくなるほど、背中を丸めて寝ていた人が、舞台を食い入るように観ている。
「そうか!」
まったくフラメンコを知らない人には、居眠りしたってしかたないのだ。
でも、神経まで寝ていないから、
「いいものを観せてくれているな....」
と察知し、自然と、閉じていた目も開き、うなだれていた人の頭も上がってくるんだ..。
ハレオを知らない男性が、アンコールと叫んだ。
パルマを知らない人が、一生懸命に手拍子で応えていた。
フラメンコを知らない人が、素敵だネー、と言い、頭上で、拍手を送っていた。
私は先入観で、当日まで迷った自分を恥じた。
見終えて、足を運んでよかったな、と思った。
今回の舞台を観た人の中で、フラメンコファンになった人も、きっといるに違いない。
カーテンコールが何回もあり、やっと会場が明るくなった。
「帰り、送ってあげるわよ」
フラメンコの仲間が、声をかけてくれた。
車は家族が使っていたので、乗ってこれなかった。
有り難い。
2010年10月13日
上野の森へ...。
「もなかのあれやこれや」
地域のマンドリンの会で、パーカッションを担当している女性が、恥ずかしそうに言った。
「自分でも信じられないの、....。でも、私の絵が都知事賞になったの」
先週の事だ。
「すごいわね、おめでとう。上野の森の美術館に行くからね」
早く行かなければ終わってしまう。
カレンダーと睨めっこしていた。
「よし、ちょうどついでもあるし...、今日行こう」
月曜日の祭日、予定がびっしり入っていた。
まず、眼の検診の為に、有楽町に向かう。
その帰りに足をのばせばいいと思った。
予定通りの時間に有楽町から山手線に乗り込む。
上野の森の美術館なんていったい何年ぶりだろう。
駅の改札を抜けた途端に、たくさんの子供連れ。
私はその中をゆっくり歩いていく。
美術館の前に可愛らしい自動車の売店が...。
じっくり絵を鑑賞する前に、
まずは、呼吸を整えなくちゃ...。
「すいません、アイスコーヒーお願いしま〜す」
冷たいコーヒーが喉を潤してくれた。
「...?」
木々の中央に、お墓のようなものがある。
私は、引き寄せられるように、小さな森の中に入って行った。
うっすらと、天海和尚、寛永寺、という文字が刻まれているのが見えた。
「天海和尚....?」
豊臣秀吉だったか、徳川家康だったか、どちらかの長編小説の中に出てきた記憶がある。
「確か、寛永寺って、昔は御徒町の方にあったのではないかな〜」
せっかく読んだのに、ほとんど内容を忘れてしまう自分。
でも、苦労して読んだ長いものは、所々の場面が頭に残っていることがある。
実は天海和尚は織田信長を討った明智光秀だった、という説があったことも書かれていて、....面白いな、と思ったことも思いだした。
うっそうとした木々の枝の下で、一人、中を覗き込んでいることが楽しかった。
アイスコーヒーのストローに口をつけたまま、周りを覗き込む。
説明文が、小さな文字で書かれていた。
徳川家康と同じ日光東照宮にお墓があり、ここには、毛髪が葬られていると。
上野といえば、動物園と美術館に、不忍池、そして西郷隆盛の銅像くらいしか結びつかなかった私。
なんだか、上野のもう一つの顔を見たようで、得した気分。
さてさて目的だった友人の油絵。
まったく無知な私にはいったい何号の絵なのか判らない。
見上げて、迫力に驚くばかり。
でも、さすが都知事賞。
素人の私にも、その素晴らしさは一目瞭然。
『こんなに上手な人だったかなあ』
何年前だったか、頼まれて、彼女が所属する会で、絵のモデルをしたことがある。
フラメンコ衣裳を着た人物を描くということになり、それならば...と、私に連絡してきたのだ。
いやはや、じっとしているのが、こんなに辛いとは....。
二度目をやる根性は私には、なかった。
私は絵に近づいたり、離れたり。
ベンチに座って眺めたり。
彼女の作品の前で足をとめた人の横顔も見つめた。
数人で会話している声を、そばで聞いているのも楽しかった。
いや、嬉しかった。
ずいぶん長い時間座っていた気がする。
携帯電話を出して、時間を確認する。
私は、美術館を後にすると、駅に向かった。
2010年09月22日
映画「フラメンコ×フラメンコ」へ。
「ああ、首が痛いナー」
私は軽く、首の筋をのばした。
月曜日の夜。
新宿にある映画館、バルト9の一番前の席に、私は一人で座っていた。
『ラテンビート映画祭』 の中の「フラメンコ×フラメンコ」という映画。
チケット売り場で、次は私の番、というときは、すでに8枚しか残っておらず、幾つか並んでいる売り場窓口の前では、数人がチケットを求めていた最中。
「あー、あの人達も同じ映画のチケットを頼んだら、私、入れないよー」
7月末だったか...。
マエストロ というアルゼンチンタンゴの映画を、渋谷の東急文化村に行ったときのことを思い出した。
「すでに満杯でございます」
「...ううう、そんな〜、せっかく来たのに...」
泣く泣く、再度、別な日に出直した。
(そうだ!この映画の感想もいつか書きたいな..。)
その時のことを思えば、首が痛いぐらい、我慢しなければ...。
『何て画面がきれいなんだろう』
天を見上げるようにして観ていた私。
同じカルロスサウラ監督の「フラメンコ」のビデオと対比させている自分がいた。
鏡や、影を効果的に使っていたように思う。
今回は絵画。
肖像画もあるし風景も有る。
バイレ、カンテ、ギター...、何もかもが絵画の中に吸収されていく。
いやいや、吸収されていくのは、背景の絵画の方かもしれない...。
私は、途中、泪がこみあげそうになった。
「アリリリリリリ〜♪」
とヘレスのブレリアを唄っていた パケーラは、もうこの世にはいない。
かわりに、ミゲルが肖像画が並んでいるパケーラの前で唄っていた。
真っ赤な衣装のサラバラス。
パタデコーラのエバ.ジェルバブエナや、男性のイスラエル.バルガン、そして、ファルキートの踊り。
『悔しい..顔は知っているのに、名前が解らない...』
まだまだ、たくさんの素晴らしい踊り手、カンテ、ギタリストの人達がいた。
CDの写真でしか見たことのないパコ。
味わい深い歳になって、画面いっぱいに映っている。
ギターを奏でるパコを、尊敬いっぱいの眼差しで見つめていたアーティスト達。
その眼差しが、何と美しかったことか。
そして、一番私の脳裏に刷り込まれた顔がある。
以前の「フラメンコ」の映像の中では、アレグリアスを弾き、三人の女性コーラスが唄っていた場面。
確か、ギターを弾いていたマノロサンルーカス。
隣にもう一人の、男の人がいた。
テーブルの上を拳でコツコツと叩いていた場面。
今回も、同じように女性コーラスが三人歌っていた。
でも、ギターの隣には誰もいない。
『マノロサンルーカスと思ったけど...今回は別人だろうか』
私は一番前だというのに、目を凝らした。
似ているけれど...。
真っ白な髪と睫毛、髭。
寂しげに、遠くを見ているような顔。
明るい曲だけど、全ての人の哀しみを代弁してくれているように、私には思えてならなかった。
だんだんと、神様の顔に見えてきた。
頬を触りたくなった。
映画の最初と最後に流れたベルデの曲。
明るくではない。
ゆっくりとした旋律で、せつなく唄われていた。
『そうか...、そうなんだ』
私は一人合点する。
対比させていた最初の「フラメンコ」のテープは、最後の場面で、このベルデの曲が流れていた。
まるで、その曲を引き継ぐように、今回の「フラメンコ×フラメンコ」は始まったのだ。
「だから、タイトルがそうなったのか..」
自分一人、勝手に想像して、頷く。
映画を終えてから、私は、ふと、考えた。
『この映画に出ていた人を、一体、何人、私は、生で見ることが出来ただろうか...』
と。
逝ってしまったから映画には、肖像画での出演だったパケーラ。
大きな身体で唄っていたパケーラの唄を聴けたのは、大事な思い出。
アルカンヘルのクルシージョを受けたとき、全然最後まで唄えなかったのは、心残りの記憶。
ファルーコファミリーが来日したとき、真っ白なスーツで踊った子供の頃のファルキートの踊りを観た。
何と可愛らしかったことか...。
ここ近年に来日したサラやエバ。
共に、会場の席が遠かったので、残念だったことを覚えている。
髪をソバージュにしたトマティートのギターを弾く姿も素敵だった。
まだまだ、来日していない人や、私が知らない、フラメンコの重鎮の人達が、大勢映画に出ていた。
フラメンコについての保存版になるような作品。
いつかDVDになるのなら、いいのだけど...。
でも、その日はいったい、いつになるのやら...。
さて、ミセスクラスの仲間に教えてもらったこの映画。
雑談の折り、別の仲間にも知っている人がいて、何と、わざわざ上映日と上映時間まで、教えてくれた。
二人とも語学の先生や、限りなく勉強を続けている人だから、貴重な情報のアンテナはしっかり張っているのだな、と思った。
感謝、かんしゃ、カンシャ....。
あと、一回だけ。
23日の祭日に、1時15分から上映されるとのこと。
もう一度行きたいけれど..。
でも、チケットがなくなって買えないのでは..とひやひやするのは、もう、いやだ。
やめた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
追記)確かな情報ではありませんが、スペインでもまだ公開されていないものと聞きました。
貴重な映像の映画を教えてくれた仲間に、改めて感謝したしだいです。
注:)記した名前等、誤り、勘違いがあるかもしれません。
2010年07月21日
朗読劇「モスリラ」
去年だったろうか、私は浅草に「モスリラ」という朗読劇の舞台に行った。
場所はアサヒビールのビルの中だった記憶がある。(名前が違うかも..)
今回17日土曜日に行ったのは、神楽坂。
二度目の舞台といっても配役が違うし、脚本も更に手を加えたとのこと。
残念だったのは、一度しか行けなかったことだ。
その日によって、イヤイヤ、昼と夜によっても配役が違うというから、出演する人によって同じものでも、違う印象になる。
8回ある舞台の中、私は6回目の時に、足を運んだ・
ひとこと、感想、
「面白かった」
脚本家、林竜之助さんのファンになってしまった私だから、そう思えるのか...、と考えた。
が..、すぐに首を振る。
お芝居とは違い、動かないぶん、難しい。
その点、役者さんの、腕のみせどころを堪能させてもらってきた。
校庭のブランコの油がきれた音と一緒に、そばの木の高さまで浮かんできた。
同窓会という名目で行った店の様子まで解る。
私は、見えない映像の中に、ぐいぐいと引き込まれていった。
二度目の体験をした朗読劇。
結構好きになった...しだいだ。
さて、脚本家のお母様は、私のフラメンコの仲間。
おかげで、こうして足を運ぶことが出来るようになった。
お芝居の観方、楽しみ方の幅を、広げてくれた、ということに感謝しなければ...。
現実にはいない「モスリラ」という蝶々だけど、本当にいる気もしてくる。
「ヒラヒラと飛びまわり、また私を招いてくれますように..」
(訂正:モスリラは花の名前でした。
ちゃんと台詞に出てきたし、チラシにも書いてあったのに...。蝶に気を取られてしまったー)
というわけで川柳も作り直し。
2010年03月17日
あの唄声をもう一度
私の脳裏に、日曜日に行った、ひふみレインボーというコーラスの舞台がまだ残っている。
たくましくて、美しい歌声。
阿木燿子さんの朗読。
そして、フラメンコの踊り。
舞台上で描かれたものは、演出や構成、振り付けをする方々にとっては、革新ではなく、普通のことなのかもしれない。
が、私にとっては、観るもの、聴くもの、感じるもの、すべて、衝撃的だった。
フラメンコを習っている自分としては、日本語の唄で、そして歌詞に合わせた振り付けを観れたことは、得難い、観る体験をさせてもらったといっていい。
そして、「弥生」という唄。
男と女の物語だけではおさまらない、人間の奥深いものを描いている唄。
歌詞の一部分が私の頭の中をこだましている。
辛く、せつなく、でも...。
ある女性が経験したドラマにとどまらず、誰にでもある苦悩も秘められている重厚な唄。
あの迫力で、生で、もう一度聴きたい唄だ。
さて、話は変わるが、昨日だったか、数日前だったか...。
私は一人、遅い昼食を摂りながら、テレビのスイッチを入れた。
画面では、尺八を吹く『藤原道山』さんが出演していた。
簡単にいえば、イケメン風。
しかし、考え方は古風。
いやいや、古風であり、斬新だ。
「新しいことに挑戦していると批判されないですか?」
他のジャンルの楽器の方達とのコラボについての質問を、司会者が向けた。
「いいえ、あまりないですね。でも、批判してほしいです、批判がなければ何も生まれてきません」
そしてこうも言った。
初めは革新です。でも、それが良ければ続き、そして伝統になる..、
という意味の事を。
決めているのは、あたらしいことをやる、ということ。それは伝統を否定しているということではない、ということも話していた。
伝統を守っている人だからこそ、新しいことにも果敢に挑戦し、どんどん、尺八の可能性を広げていっている、ということが伝わってくる。。
道山さんのお師匠様は、人間国宝の方。
新しいことに挑戦している道山さんは、お師匠様から温かく見守られている様子が、会話から聞き取れた。
「なるほどなー」
私はお茶碗を片手に持ったまま、大きく頷いた。
私は時折、この道山さんのいうように、革新的であり、且つ伝統的であり、斬新でもある舞台を目にすることがある。
そのときの気持ちは、ただただ見逃さなくてよかったた、という安堵感。
今回の、ひふみレインボーの舞台も、見逃さず、ほっとしているしだいだ。
2010年02月18日
芝居「サイエンスフィクション」
[VOON] 消えてしまった。今、窓の外は雪が静かに降り続いている。
皆が起きた頃は、どんな景色になっているのだろう。
さて、リビングのテーブルの上に、真四角の箱を置いている。
その箱は、お菓子を入れるためのもの。
常時、クッキーやお煎餅が入っていて、折にふれて、ふたを開けては、一つ口の中に入れ、モゴモゴ。
ふらっと立ちあがり、再び、リビングに戻ってくると、また蓋をあけて...。
ここ二週間ばかりは戴き物があった。普段の菓子類に加えて、小さな羊羹や最中、洋菓子がふんだんに入っていた。
箱が何段も積み上げられぐらいの量だ。
しかし、
すべて、なくなった。
恐ろしいことだ。
ほとんど、私のお腹に収まってしまった、ということだ。
私が糖尿病なら、毒をもられるより、簡単かもしれない。
でも、甘いものは私を笑顔にさせ、精神までも安定させてくれる良薬になっている。
健康な身体に、カンシャ。
甘いもの好きで、思い出した。
先週観に行った「サイエンスフィクション」というお芝居。
水曜日、そのお芝居にちょっと関係ある、甘いもの大好きな方とお話する機会があった。
けして大舞台ではないけれど、芝居の原点を感じさせる小規模な舞台。
何処かで観たお顔、と思ったら、
映画、「男はつらいよ」に出演したり
「おとうと」にも出演している方や、他の舞台で拝見した役者さんもいた。
10回公演。
たくさんのお客様に来ていただいて、千秋楽を迎えたという。
芝居の途中での裏話を聞いた私は、もう一度、後半の公演を観たら、もっと楽しめたかもしれないな、と思った。
そして、私は話を聞きながら思う。
『いいなあ、自分が書いたものがお芝居になるなんて...』
羨ましくなった。
自分にも、そんなものが書けたらどんなにいいだろう。
2010年02月13日
風情散策..第465編
[VOON] 2/14オリンピック転倒しても 2月7日の発表会を終えてから、家族に、やっとこれでゆっくりできるね、と言われた。
たぶん、ゆっくり身体を休めたほうがいいよ、という労いだろう。
私は、どっこい、そうはいかない、と思った。
「行ってきまーす」
打ち上げ後、皆と泊って、帰宅したのは、翌日の月曜日昼。
一応家事を済ますと夜のカンテ教室に向かった。
重いドアを開けると、前夜、楽屋まで来てくれた人達の顔があった。
皆んなだってちゃんと出席しているのに、私が欠席なんかしたらおかしい。
来てよかった。
火曜日は、たまっている仕事を片づけてしまおうとパソコンに向かう。しかし、なかなかはかどらない。
「おかしいなー」
喉も痛くなった。
たくさん寝すぎると、身体がなまってしまうのだろうか。
結局、ダラダラと過ごし、いつもより..早めに就寝。
そして、水曜日。
杉並公会堂でのマンドリンパート練習に向かう。
全体練習ではないからこちらはパスしても大丈夫。
でも、行って良かった。
「発表会というけれど、公演みたいで、すごい舞台ですね」
舞台全体を褒めてくれる。
私は嬉しかった。
さて、帰宅して夕食後。
仕事は、はかどる、はかどる。
私の指は快調にキーボードの上を打っていく。
木曜日昼間、林竜之助さんが書いた脚本に、
田中壮太郎さんが演出した「サイエンスフィクション」というお芝居を観に行った。
終えると、芝居の結末を思い返しながら、神楽坂の商店街を一人で散策する。
風情ある通りだった。
夜、夕食後
はかどる、はかどる。
私の指は忙しくキーボードを行き来していく。
金曜日午前中。
リビングを模様替一新。
今までサボっていた掃除をかねて、カーテンを全部取り払い、木製のブラインドに変えた。
「ほらね、少しでも暮らしやすいように、って、家の中のことだって、ちゃんと考えているのよ」
得意げに言う。
しかし、本音は、たぶんこのあたりで、そろそろ雷が落ちる頃だと、予想していた私は、前もって家具屋さんに行き指定日に届くように準備しておいたのだ。
大成功。
なんだか、居酒屋みたい。
我が家の年長さんは、雰囲気が変わって機嫌がいい。
「それじゃ、夜、代々木上原に行ってきまーす」
フラメンコ、デスヌードを観に向かった私。
気分は快調、!
の私は、踊りを観ることに没頭する。
発表会のために時間を費やしていた先生方や出演者の方達。
いったい、いつ練習するんだろう...。
プロは、スゴイ!
素晴らしい踊りを堪能して帰ってきた。
発表会が終わってからの数日をふりかえってみると、どの場面も、誠に風情のある通りを散策してきたような感じがしている。
土曜日からは、再び、いつもの日々がやってくる。
これで、きっと
はかどる、はかどる。
仕事も、大好きなことも、苦手なことも、嫌いなことも
はかどる、はかどる。
2009年10月04日
停まらない足
「もなかの心の寄り道」
土曜日、フラメンコ教室に着くと、ドアの内側から、女講師先生の声が響き渡ってきた。
「おかしいなあ、まだ始まってないはずなのに...。やばい、もしや...もしや...」
静かにドアを開けた。
全員が振り返った。
前夜、クラスの一人からレッスン確認のメールがあった。
「はーい、間違いなくレッスンはありますよー」
とだけ返信した私。
なんと気の毒なことをしてしまったのだろう。
その人まで、大遅刻させてしまった。
カレンダーを見る目は10月なのに、頭の中はまだ9月の延長線のまま。
しかし、レッスンの時間は時々間違えるけれど、大事なことは大丈夫。
(訂正:すべてのこと大事でーす)
まず着替えを済ますと急ぎ足で、銀座に向かった。
『どんな赤っ恥をかいても構わないけれど、字を書くことだけは勘弁してね』
というのが口癖の私が
「書」の展示会に行ったのだ。
「外だけでなく、家の中で静かにできる趣味もぜひ持っていた方がいいですよ」
と数年前、強く知人に勧めた経緯がある。
なんと、!
書道を始め、めきめき頭角を現し今では見事な腕前になってしまった。
その方に勧められて足を運んだのだ。
さすが全国からのそうそうたる諸先生方の書。
今まで観たことがないような書の数々が、ここ銀座、東京セントラル美術館の、広いフロアに展示されていて、圧倒された。
「あたたかみが伝わってくるなあ」
ある書の前で私の身体はしばらく動かなくなった。
書の世界など、何も知識がない私。
読むことさえも出来ない。
書で、こんな思いにさせられたのは初めてのことだった。
「雲の上の方々の全国展ですから、お時間があったら、ぜひに..」
と案内をもらった私。
同じ日の夕方
「明治大学マンドリン倶楽部チャリティーコンサート」
に向かうまでの時間を利用してのつもりでいた。
しかし、その鑑賞は、立ち寄るだけでは済まない、神秘的な時間となった。
さて、明治大学のマンドリンの会場は「ミューザ川崎シンフォニーホール」
舞台を囲んでぐるりと座席があり、舞台後ろの席をのぞいて三階まで人がいっぱい。
1500人ぐらい入っているだろうか。
あまりにも素晴らしい会場にキョロキョロ。
そしてゲストの由紀さおり.安田祥子お二人の唄もよかったけれど、
現役学生とOBの合同演奏が、たまらなく素晴らしい。
驚いた、驚いた。
演奏だけの一部では、涙が流れてきた。
そしてアンコールでは、フラメンコのようにパルマも入った、ラテンのリズムに編曲した曲も演奏。
「イヤー、来てよかった」
フラメンコの踊りを曲に合わせて踊ったら、素敵だろうなあ、と思ってしまった私。
心が躍った演奏会だった。
来月は別のグループだけど、明治大学のOBでの演奏会も行くことになっている。
ゲストは宇崎竜堂さん。
楽しみになってきた。
仕事の時間がどんなに偏ろうと、私の足は、停まりはしない。
2009年09月19日
隅田川を渡って。第425編
[VOON] 東京にも...。あっという間に、また週末を迎えてしまった。
思いがけず急にお声をかけて頂き、行けた舞台もあり、
お陰様で.....、
今週も、何回か舞台を観ることができた。
その数回の中には、スペインからやってきたカラスコの踊りも観れたし、
金曜日は、フラメンコの仲間と一緒に朗読劇に行くことができた。
その朗読劇は、「モスリラ」
朗読劇初体験の私。
とても新鮮な気持ち。
会場は浅草。
開演までの時間を利用して浅草寺に寄ることにした。
仲見世通りを歩いていると、あげまんじゅう屋さんが数件目についた。
ひとつ買うと、すぐに頬張る。
「う〜ん、なかなか..美味しい」
外側は揚げたてだから、カリカリ。
中にはあんこが入っていた。
お参りのついでにおみくじも..。
二人とも「吉」
占いなんてまったく信用しないし、おみくじも。
でも、ほっとする自分がいた。
開演の時間が近づいている。
会場へ向かう。
途中、吾妻橋から隅田川をのぞく。
屋形船だろうか、明かりが灯された船が川面をゆっくり移動していく。
「情緒があっていいなあ」
またきょうも、知らない街に触れることができた。
私は、つくづく思う。
舞台の幕開けは、
街に足を一歩踏み入れたときから...いやいや、
家を出た時から始まり、楽しませてもらっているのだ...と。
さて、朗読劇「モスリラ」
21日までとのこと。
詳しくは書かない方がいい。
まだまだ楽しませてくれるのだろうから、
このへんで終えなくては。
★会場: アサヒアートスクエア
★脚本・演出 : 林 竜之助
★出演 : 河村和奈 郷本直也 新宮乙矢(劇団め組)
関戸博一(Studio Life)
高杉瑞穂 豊永利行 松下恵 三原珠紀
渡部紘士